2012年度 シンポジウム 奄美大島の生物多様性

2012年7月7日、鹿児島大学にてシンポジウム「奄美群島の生物多様性」を開催しました。

本シンポジウムでは、豊かな生物多様性をもち世界自然遺産の候補地となっている奄美群島の生物多様性や特異性について、植物・動物など異なる分野の研究者からの話題提供が行われました。

はじめに、吉田浩己学長から挨拶があり、平成20年度から実施している「環境」の教育・研究推進を目的する「鹿児島環境学プロジェクト」と今年度から開始した奄美群島の生物多様性を多様な視点で把握する「奄美プロジェクト」の共同企画により本シンポジウムが開催されることが紹介されました。

岡野隆宏教育センター特任准教授の趣旨説明につづき、学内外の研究者ら7名から、アマミノクロウサギ、アマミヤマシギなど奄美固有の動物と外来種の影響、オキナワウラジロガシを特徴とする徳之島の森林構造、奄美の特異な昆虫相、植物種数の推定、非海産貝類及び陸産・淡水産カニ類の地理的分布など幅広い分野からの報告が行われました。また、今年度から始まった鹿児島県の生物多様性保全地域戦略の策定、鹿児島県版レッドデータブックの見直しについての紹介がありました。

引き続き、総合討論が行われ、各報告に関する質問をはじめ、開発が進む奄美の現状や国・県の環境戦略などについて活発な意見交換が行われ、奄美群島の生物多様性について理解を深める有意義な機会となりました。

当日は、時折強い雨の降るあいにくの天候でしたが、学内関係者、行政関係者だけでなく、学生や一般の方々など幅広い層から155名の参加があり、奄美群島の生物多様性への関心の高さがうかがえました。