令和2年度「第4回環境文化シンポジウム島と東京を結びこれからの奄美の環境文化を考える」記録集
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-48-普段、食育食文化に関わっておりまして、今回、小栗先生から、こういう会がありますよ。ということで、今日参加させていただいています。今回、この会に参加して、さまざまな課題がいろいろ討論がされましたが、その中で一番、僕が疑問に思ったというか、熱量が上がったのが、高校生の要田さんと保岡さんの意見です。その中で、この問題というのは僕たち奄美に住む若い人たちが、これから生活していく中で、シンプルかつ、非常に重要な質問だと思うので、ちょっと僕から意見いますが、伝統行事はなぜ大事かといったことに関して、先ほど奥さんがおっしゃられたように、おばあちゃんの一言が心に刺さって、行事に対する思いが変わったということがありまして、僕が思うにですね、昔は集落にそれなりに人口がいたと思うんですよね。今の2倍3倍ぐらい。総人口がたくさんいた中で、行事もたくさんあって、すごく盛り上がって、それが集落の人たちの新しい出会いの場あったり、息抜き、楽しい空間だったと思います。集落の人口が減っていく中で、どうしても成り立たない、いろんな組織ですね。婦人会であったり、老人クラブだったり、人口が少なくなることによって、行事が成り立たなくなることの苛立ちであったり、将来の集落に対する不安っていうのが多分重なって、若い世代に少し強め言うことがあるのかなと思ったりしつつ、またそれと同時に、この先輩たちなんかが作ってきたものがあるからこそ、この集落の行事というのは残っているんじゃないかなというのは思っておりますので、そこは高校生の皆さんも、「何で、兄なんかにこんな言われまい」とか思っても、兄なんかがやってきたから、今があるんだなぁというのは、本当に自分もつくづく感じております。奥さんだったり、他の方も行事に対する思いは様々だと思いますが、僕がこの奄美の伝統文化、行事に魅力を感じたのは、やはり奄美を出た時ですね。就職はそんなに長くはいなかったんですよ。内地の方に少しいたんですけれど、それとは別に、海外に出たり外に旅行に行ったりする時に、どうしても沖縄と奄美を間違えられたり、鹿児島であってもなんか違うなという違和感を感じる中で、やっぱり外に出れば出るほど、奄美の伝統文化、八月踊りだったり、シマ唄、沖縄とは違う、鹿児島とも違うという意味で、すごいそこに魅力を感じて、僕も今、八月踊りのグループに入っていたり、方言を勉強したりという、途中ですが、本当にいろんな感じ方があると思いますが、これから外に出ても、原田さんががおっしゃったように、奄美愛があれば、多分どこに行ってもまた帰ってきたいというか、奄美がよくなるような仕組みを多分それぞれが技術を持って帰ってくると思います。最後に伝えたいが、奄美の方言で一番好きなのが、「みじゅややまうかげ。ちゅや、せけんおかげ」ですね。この方言の言葉の意味を高校生のお二人が分かっていたら、とても嬉しいのですが。分かりますか。さすがです。ありがとうございます。僕は、この方言があって、本当に今があるかなと思っております。これまでも、人とのつながりというのは大事ですので、ソーシャルディスタンス、物理的な距離は取っても、やっぱり今、結いの精神ですが、心だけは離れてほしくないなと思っております。こういうふうに、いろんな世代の方々と話せるこの機会があることに、僕はもうありがたいなと思っております。今日はどうもありがとうございました。小栗ありがとうございました。浜手今、いろいろと議論をしてきました。最終的には地域の人口が増え、定住人口が増えること、それともう一つは、交流人口が増えること。このことに私どもがどう取り組むかということは、伝統文化あるいはこれから継続していく地域の行事も存続させる、大きなネックポイントだと僕は思う。ですから、少しる視点が変わるかもしれませんが、いかにして定住人口を増やすかを考える。もう一つは外から来るお客さん、経済も潤います。そういう流動人口どうしたら増やせるかということをお互い

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