令和2年度「第4回環境文化シンポジウム島と東京を結びこれからの奄美の環境文化を考える」記録集
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-41-ですけど、奄美に帰ってきたら、そういうことは積極的にしたいとは思っていますし、これから上の世代の方と僕たち若者が、絶対価値観とか全然違うところもあると思うんですけど、同じ考え方があって、違う考え方があって、どういうことが同じでどういう考え方が違うのかっていうのをしっかり理解した上で、僕たちが引継ぎをしていけたらなと思っております。小栗保岡さん、ありがとうございます。思っててもなかなか言えない、なぜなのかということを発言していただいて、とてもよかったと思います。それでは、西田さん、お願いします。西田若い人たち、「個性的」っていう言葉も好きじゃないですか。一人一人のアイデンティティ。奄美自体の特性っていうか、私すごく誇りに思ってます。司会の方もおっしゃったように、この動植物にしても固有種にしてもね、世界にこの世に、奄美は周りの海のそのおかげで、歴史的な背景もあって、いろんな国の船とかも立ち寄っているわけ、奄美はね。いろんなところが植民地になってね。治める人が、国が変わったりして、その歴史の中で中国とすごく親しくしている時期、そういうときは中国沖縄を通して、あっちの言葉や宗教的なこととかたくさん入ってるし、よその国ではそんなに他国の影響を受けてないところが多いわけね。でも私が思うに、奄美はもう、混沌としてあちこちの文化も取り入れて、それでいて独自性の文化が育ったと思っている。だったら、他のどこにもないことを奄美は奄美で守って、世界に一つしかない奄美。紬にしても、焼酎にしても、言葉にしても、民俗行事にしてもね。そういう形でつなげたいなって気持ちに少しならないかなあ。小栗ありがとうございました。浜手さん、これから守っていくこと、あるいは大切にしていくことをお願いします。浜手当然今までの先輩たちが脈々と受け継いできた伝統文化、環境文化。これは当然のことながら、私どもも次の世代に引き継いでいく義務があると思います。ただ、その精神論というのかな。想いだけでは現役世代にはなかなかと伝わらないというのが、さっき保岡くんが課題として提言していただいて、本当にこの会は大きなテーマを頂いたなぁと思っております。100人インタビューの内容少し見ましたら、やはり担い手がいない。いわゆる人がいない。高齢化しているということも指摘されておりました。となります、といくら私どもが精神論的に、伝統文化だの、環境文化だのと、こういうふうに訴え続けても、それを支える地域の経済がなければ、どうにも、どの次へのステップにはならないと思います。ですから、新しい時代に合うような、新しい環境文化を創出するという念も持ちながら、取り組む必要があるんじゃないかなと思っております。蛇足ですが、住用村が三太郎太鼓をやってるんですね。これはごく最近、6、7年前からですよね。これがあと50年60年100年経つと、立派な地域の伝統文化、文化遺産になると思います。その例が霧島の九面太鼓。歴史どれぐらいだと思います?まだ50年ですよ。ところが、これはもう伝統文化、伝統工芸という風にも一途位置づけられていると思います。これは、いち商工会のメンバーが霧島神宮にある九つの面をかぶって、それに振り付けをして始まったのが今の九面太鼓と言われております。先ほど、惠原先生も申し上げておりましたが、何も作り上げる、商業的に作り上げるということじゃありませので、やっぱりそういった、地域とともに新しい環境文化を創出する必要があるんじゃないかなと私は思います。小栗ありがとうございました。今の浜手さんの精神、思いは大事だけども、えっとそれだけではつな

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