令和2年度「第4回環境文化シンポジウム島と東京を結びこれからの奄美の環境文化を考える」記録集
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-40-小栗要田さん、お願いします。要田私は保岡さんの伝統文化の必要性ということに対して、私が考えたこととして、現在私が感じることなんですけど、自分の地域、赤尾木出身なんですけど、赤尾木って龍郷町にある地域でも、私が小さかった時に比べて、今はやっぱり、地域との関わりが徐々に希薄になってきていて、地域との関わりも、学校も地域との関わりが希薄になっているっていうのがあるので、やっぱりその伝統行事が担う役割として人とのつながりだったり、シマでやっぱり一番大事っていうか、私が考えるシマはやっぱり、人とのつながりがあるって事がやっぱり一番いいことかなって思っていて。そういったことで、将来シマを離れて行った時に、シマの温かさに気づいたりだとか、シマの結いの精神っていうのが、とてもシマにとっての魅力だったりすると思うので、人とのつながりをつくる場でもあるのかなって思っていたりします。例えば、地域行事の練習とか準備とかする中で、地域の高齢者の方と触れ合う機会だったり、普段関わったことのないその地域の住民の方だったりという方と、その場を通してつながることができる場にもなるのかなって思ったりして。さっき奥さんが、おじいちゃん、おばあちゃんのために喜ばせるっていうことも一つの考えかなって思うんですけど、私としてはやっぱり、先人たちが受け継いできた大事にしていたことを次の世代の子たちにもしっかり伝えていくべきだと思ってて、先人たちの苦労を子どもたちに伝えて、それがやっぱり子どもたちの自分が育った島の誇りになるし、誇りだったり自信だったりにもつながると思うので、子ども会だったり青年団活動でだったり、地元行事を形だけではなくて、行事の本質を次の世代へ伝えていくべきなのかなって思います。ありがとうございます。小栗保岡さんが大切したいこと、守りたいことはなんでしょう。保岡先ほど、伝統文化がなぜ必要なのかって質問した時に、例えば、浜手さんが、そういった事も考えて、若い子たちに伝えてくる必要があるって言われて、すごく安心したんですけど、僕の質問に対して、「いいから残せばいいんだよ」みたいな答え方をされたとちょっと困ってたんでよかったんですけど、一つちょっと勘違いしないでほしいというか、強調しておきたいのが、別に、伝統文化を受け継ぐ理由がわからないっていう疑問があったからといって、僕自身が伝統文化を引き継ぐ必要がないと考えているわけじゃなくて、僕も多分、比較的島の中でも狭い集落に育ってきたんで、そういう八月踊りとか伝統行事に関わる機会も比較的多い人間なんで、そういうものを代々残していきたいという気持ちもおそらく強いわけで。でも、そういった時に現実を見てみると、僕たちの上の世代の方々と今の世代の人では、伝統行事に対しての考え方にギャップがすごくあって、引き継ぐっていうことをあまりしない子たちが今の子どもたちにはすごく多くて、その理由がなぜかって考えたときに、僕たちの上の世代と今の世代では住んでいる環境とか全然違っていて、そういう中で、神様への信仰心の違いとか、受け継ぐ理由が分からないという気持ちも強くなっているっていうのがあると思って、そういった中で、「その違いがあって、引き継げなくなったよ」で終わってしまうと、もう伝統文化は無くなっちゃうんで、その時に、ここからどうやって、若い人たち、これからの未来を作っていく人たちに伝統文化を引き継がせていくのかって考えるときに、上の世代の方たちと今の世代の若者の違いっていうのを理解して、なぜ僕たちが伝統文化を引き継ぐっていう気持ちが薄くなっているのかっていうことを考えて、それに対する解決策というか対策というか、子どもたちに伝統文化を引き継いでもらえるようなことを考えていけたらいいなって思うので、別に僕が伝統文化を引き継ぐ必要がないと思っているわけじゃなくて、僕もこれから、大人になって奄美に帰ってくるかわからないん

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