令和2年度「第4回環境文化シンポジウム島と東京を結びこれからの奄美の環境文化を考える」記録集
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-35-うことにも非常に関心もあります。また、このシンポジウムのチラシをいただきましたら、東京とのオンライン参加もあるということで、大変楽しみにしておりますよろしくお願いします。先ほど高校生の方が、これからの私どもの環境文化のあり方について、ワンフレーズで提供されたと思いませんか?「なぜ伝統文化を引き継ぐのか、理由がわからない」と。いやー、これ本当にそのとおりで、先ほど静島さんも話しておられましたが、私ども大人がただ、伝統だ、あるいは歴史だとかいうことを文言を述べるだけじゃなくて、なぜ必要なんだということを彼らに、あるいは次の世代にちゃんと発信する仕事を疎かにして生きたんじゃないかなという感じを持っております。皆さん、考えてみてください。第1部の最初、小さい時はああだった、こうだったと、非常に楽しい自然にひたる思い出話がありました。今どうですか?毎日奄美から関西に、関東に飛行機が飛んでおります。奄美空港をハブ空港にして、離島に飛びます。毎日6000トンから8000トンクラスのフェリーが毎日も出入りしています。こういう新しい環境になっていることも、私どもは強く認識すべきじゃないかなと思っている。その中でこれから環境文化をどう創出するか。環境文化というのは、そのときの時代背景でどんどん変わっていくものだと思います。また変わらなければ、いみじくも、最初の小栗先生の話がありましたが、変わらなければ、これはもう停滞した文化は文化とはやっぱり言えないと思います。そういった意味で、先ほどの若い皆さんが鋭い視点を投げかけてくれましたので、お互いそこらあたりをきちんと位置付けながら、これからの環境文化がどうあるべきかということを議論するう機会ではないかなと思っております。小栗ありがとうございます。ここで中間まとめてとして、皆様に、ここまで聞いて、どんなことが大事だなとか考えたのかということを聞いていきたいなと思うんですけども、その前にフロアの方からご質問やコメントがあれば、お受けしたいと思います。会場発言者1皆さんこんにちは。恵原義之と申します。私は島の出身ですけれども、中学の途中から内地に行ってましたので、あとは大人になってから、たびたび帰りになってきまして現在は横浜市と名瀬の西にある根瀬部という小さな集落と二地域居住をしています。従って、ちょっと視点が違うところから見ているかなと自分で思ったりしています。根瀬部という村は特段何も見ものもなくて、ほとんど埋もれたような集落ですけれども、人口が昔は200世帯で450人いたのが、現在は85世帯で180人くらい。この180人も実際には施設に入っている方がいますので、実際165人くらいの小さな集落です。しかし、名瀬でやる船こぎ大会、これでは5年連続優勝したんですね。現在も3位か4位ぐらいのようです。そして八月踊り、これは現在、危機的状況です。男の唄い手、女性の唄い手、3人ずつぐらいいるんですがこれが高齢化して、今まさに絶滅しようとしています。一部の村でやっているように、テープに合わせて踊りをつないでいくと

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