開催趣旨世界自然遺産一覧表への記載を目指している「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」については、平成30年5月にIUCNより記載延期の勧告がなされたことを受けて、推薦書が一旦取り下げられ、IUCN指摘事項への対応を行ったうえで昨年2月に推薦書を新たに提出したが、世界自然遺登録のためには、抱えている課題に対して着実な取組を進めていくことが求められている。「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」世界自然遺産推薦地(以下、「本推薦地」という。)のうち、奄美大島及び徳之島は、平成29年3月7日に「奄美群島国立公園」に指定されており、国立公園が本推薦地の保護担保措置としての役割を担っている。そのため、本推薦地の顕著で普遍的な価値を維持するには、奄美群島国立公園の適正な保護管理が不可欠である。奄美群島国立公園の景観要素には、人と自然の関わりを示す有形無形の文化景観や集落景観も含まれていることが特徴であり、「環境文化型」国立公園ともいわれている。そのため、地域住民が豊かな自然資源と文化の価値を改めて認識し、国立公園の保護管理に主体的に関わっていけることが重要である。このため、環境省の資金協力を受け、今年度のシンポジウムでは、平成29年度から過去3回開催された環境文化シンポジウムの成果も踏まえ、世界自然遺産推薦地に含まれる奄美大島において、人と自然との日常的な関わりを回復し、地域経済も含めた暮らしの持続性を図るための課題と方向性を関係地域住民と共有することを目的にしている。また、新型コロナウイルスの感染拡大防止が不可欠とされる中、オンライン配信を取り入れるとともに、奄美大島から島外の大都市部に居住する住民への発信も視野に入れた内容とする。国立大学法人鹿児島大学鹿児島環境学研究会
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