- 5 -3.基調講演【基調講演1】 環境省奄美自然保護官事務所上席自然保護官 鈴木 祥之 「世界自然遺産登録に向けた現状と外来種対策」 皆さん、こんにちは。環境省奄美自然保護官事務所におります鈴木祥之と申します。私、普段、大和村にあります奄美野生生物保護センターに務めておりまして、国立公園の指定、世界自然遺産登録に向けた取り組みに関する業務を行っております。本日は、世界自然遺産登録に向けた現状と外来種対策、主に環境省が行っているマングース防除事業と、さまざまな団体が行っているノネコ対策のことについてお話させていただきます。よろしくお願いします。 皆さん、ご承知のとおり、奄美群島には多様な生き物がたくさん生息しておりまして、世界でここにしかいない生き物がたくさんおります。この貴重な生き物たちを、人類みんなの宝として価値があり、守っていく。これが世界遺産を目指す理由、世界遺産になれる理由ということになります。 こういった世界遺産の価値となり得る貴重な生き物たちは、奄美大島、徳之島の森林部分、照葉樹林の中に多く生息しております。 たとえば植物でいえば、アマミエビネやトクノシマエビネのような華やかなランの花とか、カンアオイの仲間のようにひっそりと花を咲かすような、地味ですけれども、この奄美大島にしかいないような植物もたくさんいます。 動物でいえば、アマミハナサキガエルとかアマミヤマシギ、ルリカケス、それからアマミノクロウサギ、ケナガネズミ、トクノシマトゲネズミ、こういったものが、奄美群島にしかいない希少な動物たちということになります。 世界遺産の登録基準なんですけれども、これはユネスコが定めていまして、自然景観、地形・地質、1
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