平成27年度「奄美の明日を考える奄美国際ノネコ・シンポジウム」
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- 3 -いただきました所長の西村におきましては、本日、沖縄県にあります西表島へ出張のため、私が代わって出席させていただいております。その所長の出張でございますが、西表島国立公園、西表島を国立公園に拡張しようということで、中央環境審議会の視察同行に行っております。 その西表島でございますが、約2,200人の方が住んでいらっしゃいますけども、そこ市街地を含むほぼ全域を国立公園にしようとする計画になっております。本日、所長より祝辞を預かってまいりましたので、代読させていただきます。 本日ここに「奄美国際ノネコ・シンポジウム、明日の奄美を考える」が、多くの皆さまのご参加の下、かくも盛大に開催できますことを心より感謝申し上げます。また、日ごろより自然保護行政の推進にあたり、格別なご支援、ご協力を賜り、厚くお礼申し上げます。 さて、ここ奄美大島には奄美のクロウサギや奄美イシカワガエルなど、世界でここにしかいない貴重な動物が数多く生息しています。この世界に誇れる豊かな自然を人類みんなの宝、世界自然遺産への登録を目指す取り組みが進められています。 本日のテーマであるノネコ対策もその一つです。ネコは飼育下での愛玩動物とか、野外での強力な補食者になる、二つの顔を持っています。奄美大島ではペットの遺棄等による野外に広がったノネコが、ネコ本来の狩猟本能を発揮して絶滅の恐れのある希少種を含む野生動物を補食することにより、生態系への大きな影響が懸念されています。 このため、市町村と鹿児島県、環境省など、行政機関が中心となり、ノネコに関するモニタリング、飼い猫の適正地域の普及など、総合的な対策を推進しております。しかしながら、ノネコ対策には行政機関のみならず、地域に暮らす皆さまがネコとどのように向き合っていくかが何より重要となります。 本日お配りしております冊子は、鹿児島大学鹿児島環境学研究会、奄美哺乳類研究会の協力を得て、龍郷町立大勝小学校の5年生20名の方がノネコの問題を考え絵本としてまとめられたものです。奄美の将来を考える子どもたちの意見を、是非ご覧ください。 最後になりますが、本シンポジウムの開催準備を進めていただきました鹿児島大学の関係者の皆さまに感謝申し上げますとともに、本日のシンポジウムやノネコによる奄美の現状を知るきっかけとなり、地域住民の取り組みにつながることを祈念いたしまして、甚だ簡単でございますがごあいさつとさせていただきます。 平成27年12月6日環境省那覇自然環境事務所長・西村学。どうもありがとうございました。【共催者挨拶】 鹿児島県環境林務部次長兼奄美世界自然遺産総括官 山重秀行 皆さん、こんにちは。ご紹介にあずかりました鹿児島県環境林務部の山重でございます。どうぞよろしくお願い致します。本日は、「奄美の明日を考える奄美国際ノネコ・シンポジウム」が多くの皆さま方のご参加の下、盛大に開催されますことを心からお喜び申し上げます。また、多くの参加者の方々にはお忙しい中お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。さらに、鹿児島大学鹿児島環境学研究会、そして地元、奄美大島の関係者の皆さまにおかれましては、シンポジウム開催にあたりましてのご労苦に対しまして深く敬意を表します。 さて、県では平成30年夏の奄美琉球世界自然遺産登録の実現に向けまして、国・市町村等々と連携し、さまざまな取り組みを進めてきているところでございます。特に、アマミノクロウサギなどの希少な固有種を捕食し、生態系に大きな影響を及ぼすノネコにつきましては大きな問題になります。

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