平成27年度「奄美の明日を考える奄美国際ノネコ・シンポジウム」
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- 42 -けていただく、関わってもらう。そういうことも重要なご指摘だったと思います。 私ども、鹿児島大学としても、この問題は非常に重要な問題だと思っています。鹿児島大学は地域貢献をしっかりする大学として進んでいます。学長のあいさつの中にもありましたように、この問題は非常に重要で、大学としての専門的な知見をうまく使っていただいて、また大学にも自然科学者だけではなくて、小栗さんのような社会科学者もおりますので、そういう総合的な大学の専門性を生かして、この問題について今後とも一緒に考えていきたいと思います。<グレン博士、環境省、鹿児島県からの発言>星野:私からは以上のまとめで終わりたいと思います。時間が過ぎて恐縮ですが、最後にニュージーランドからもアル・グレンさんに来ていただいていますので、パネリストの間の議論を聞いて、時間がないので逐語通訳付きで3分ということにしたいと思いますけれども、お話を伺いたい。そのあと、環境省と鹿児島県の方に来ていただいているので、プレゼンテーションをしていただいた奄美自然保護官事務所の鈴木上席保護官と、鹿児島県の長田自然保護課長から、最後にひと言ずつ、今後の取り組みに向けての姿勢を言っていただければと思います。それでこのシンポジウムを締めたいと思います。  それでは、アル・グレン博士、お願いします。グレン:今日は本当にいろんな情報が出てきました。それぞれのスピーカーがそれぞれのことをいろいろなことを考えていることが分かりました。ここで皆さま、よくお分かりになったと思うんですけども、ネコを管理するというのがいかに複雑であるかというくらい、本当にそれぞれの意見が違っておりました。ただ、ここで分かったことというのは、みんなで考えることがいかに大切かということです。 皆さんは本当に素晴らしいきれいな自然の遺産に恵まれた島に住んでいらっしゃるのがとても幸運だと思います。ニュージーランドでは、すでにこの生態系としまして20種類の鳥が絶滅してしまいました。一旦絶滅したら元に戻ることはできません。 同じことがこの素晴らしい奄美で起こってほしくないです。今ここでどんな結論を出すかというのは、まだできません。ただこの解決法というものにつきまして地域社会全体で考えていくということが大切だということが、皆さん今日よくお分りになったのではないかと思います。国、県、市だけではなく、皆さんと一緒になって、地域社会と一緒になって共に手を携えながらこの解決の方向に向かっていくことが大事だと思います。以上です。星野:ありがとうございました。それでは環境省の鈴木さん、ひと言お願いします。鈴木:パネリストの皆さん、どうもありがとうございます。今日の話を聞きまして、やはりノネコというか、ネコに関する、ネコに関わりのある方々はものすごくたくさんいる。身近な生き物でもありますし、ネコ好きの人もそう、ネコ嫌いの方もそうなんですけども、多くの人たちに関わりのある生き物だということを改めて再認識しました。行政からの情報発信が不足しているというご意見等もありましたし、今日の話の中にあったとおり、多くの関係者の皆さん、住民の皆さんとの協力がなければ、協力・連携がなければ、この問題は解決に進んでいかないということは事実ですので、これからも多くの皆さんとのつながりを、これからも一層進めていきながら解決に取り組んでいきたいと思っています。皆さん、ご協力のほど、どうぞよろしくお願いします。星野:ありがとうございます。続いて、鹿児島県の長田課長、お願いします。長田:鹿児島県自然保護課長の長田と申します。鹿児島大学の鹿児島環境学研究会にも個人的に参加させていただいておりまして、このシンポジウムの準備の段階での議論にも何度か参加をさせていただきました。たくさん今日、ご意見をいただきました。県の職員も、今日たくさん出席をさせていただいておりますけど

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