平成27年度「奄美の明日を考える奄美国際ノネコ・シンポジウム」
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- 41 -かな。 現に僕などは、救いたくて飼える限度かなと思う3頭のネコがうちにいますけど、でも窓の外のネコが気にならないわけはなくて、大概のネコにはみんなあだ名が付いているくらい、やはり僕の集落ではネコのことを関知しています。そういうことが多くの方と共有できるようなスタンスができるといいのかなと、今日は思わせて頂きました。<まとめ>星野:ありがとうございました。5名の方から非常に貴重なご意見を伺いました。 最後に村松さんからは、島の固有性とか特有性で済まさずにもう少し深めていってほしい。まさにこのノネコ問題も理解を深めていかないと議論がかみ合ってこないということなので、大変このノネコ問題にふさわしいご指摘だったと思います。またネコに愛情を持っている人の愛情を、どういうかたちでこのノネコ問題、野良猫問題をいい方向に持っていくために結び付けていくか。大変貴重なアドバイスだったと思います。どうもありがとうございました。 このテーマ3では奄美のこれからを語るという文脈で、皆さんから大変素晴らしいご意見を伺いました。会場の皆さん方も5人のパネリストの方のご意見を伺ったと思います。これらを通して言えるのは、やはりみんなで考えることが必要だということ。おそらく会場の方々も、皆さん共通していると思います。 その際に考えるための情報、必要な情報が正確に伝わっていかなくてはいけない。ノネコというのが何をしているのか。また山に近いところの野良猫というのは、ノネコと野良猫の相違について区別自体が問題なんじゃなくて、山の中に入っていろんなことが起こっているということを認識して、そのために野良猫をしっかり管理していかなくてはいけない。最終的には野良猫はいないほうがいいという考え方もありますし、全く山に行く可能性がないところがもしあるのであれば、若干の野良猫もありという意見の方もいるのかもしれません。その辺の意見の交換をしながら、このノネコの問題の未来を考えていくということが非常に大事だと思います。 久野さんからは行政も含めた意見をいろいろやり取りする場がないというご指摘がありました。この問題を考えていく上で、非常に重要な指摘だと思います。先ほど来、いろいろ報告もありましたけれども、環境省の取り組み、鹿児島県の取り組み、市町村の取り組み、飼い猫条例を含めて、さまざまな取り組みをやって相当な進展が見られているかと思います。一方で飼いネコや野良猫に密接に関わるこのノネコの問題については、地域の住民の方が主体的にこの問題に関わって、自ら議論をしながら合意を形成して取り組みを進めていく、そういうことが大事だと思います。 小栗さんの報告の中で、外科手術的な行政が行う大きな取り組みと、日々の着実な地域住民が行う取り組み、それらがうまく組み合わされて、この問題がはじめて解決に向かって動き出すんだという指摘もありました。まさにそういう観点からは、この奄美大島でこの問題を今後どう考えていくか。そのために横文字で言うとプラットフォーム、協議の場があるのかもしれませんし、集落ごとに皆さんが集まって野良猫についてみんなで調べようという取り組みもあるのかもしれません。 深田さんから「ネコアプリ」の提案がありました。ゲーム感覚で子どもたちも含めて地域のネコをまず観察する。どういう野良猫がいるのかということを観察するところから始まって、そういう地域でTNR、避妊・去勢の手術も行われれば、その観察自体がTNR後の野良猫の管理につながっていくということになります。 ネコと地域の方々が日々どんなかたちでつながっていくか。そのための仕組みづくりが今後重要になってくるのではないかと、皆さんの意見を伺って思いました。ネコに愛情を持っている人たちが、ネコや希少種にとっていい方向に向かっていただく。そのためにこういった野良猫をうまく管理していく活動に愛情を向

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