- 40 -の取り組みだと思うんです。ですから、これまでの前例を前提として対策を考えていくのではなくて、予算が限られてくると思うので、本当に600~1,200頭いるといわれているノネコを里親譲渡で解決できるのかというのは、本当に真剣に行政の方々だけではなくて私たち住民みんなで考えて、処分という方向も致し方ないのではないかというふうに私は思っています。 ただ、それは住民の合意形成というのが絶対不可欠なものですので、そこについては本当に、時間はないけれども、よく皆さんと考えて進めていければいいというふうに思います。星野:ありがとうございました。阿部さんからは山の中のノネコ、特に一番問題とされているノネコの問題の対応はもう時間がないと。他の地域では里親探しに時間をかけてやっていますけれども、奄美大島の場合は本当にその対応をするだけの時間があるのかどうかという課題なんだと思います。 続いて深田さん、しーまの活動が目指している奄美の未来図。ノネコ問題に多少関わりがあれば、未来図を話していただければと思います。深田:僕自身がそんなに詳しくなかったもので、最近いろいろ猫部の皆さんから情報を得て、自分なりに勉強したという立場なんですけど。しーまブログが始まったのは5年前なんですけど、当時は島の発展は情報量に比例するという仮説の下にしーまブログを立ち上げて。ブログではなかなか情報発信ができない分野に関しては、たとえば観光向けだったら、みしょらんガイドだったり、女性向けの情報だったら、またAmammyという方面から情報発信しておりまして。 今後は、たとえばですけど、行政の持っているオープンデータを活用したもっと地域の住民に役立つ情報。今までは楽しいとかおいしいとか、そういう情報だったかも知れませんが、これからはもっと生活に役に立つ情報というのを含めた活用集なんかできないかなと。その中で島に関する問題、ノネコの問題とかそういうのも僕らが発信して、猫部の皆さんと一緒に活動することも今後あるかと思いますし、僕らもいろんな人を巻き込んでいくという、議論に巻き込んでいくということを僕らがやれれば、すごく良くなるんじゃないかなと思っております。星野:ありがとうございました。猫部を支える心強いメッセージですね。それでは村松さん、奄美の魅力に引かれ移住したという立場から、奄美の未来像についてどのように考えるか、お聞かせください。村松:そうですね。僕が島に最初に流れ着いたのが25年くらい前なんです。その頃からひと月島に居るなんてことを繰り返していてやがて定住したというわけなんですが。その頃からこうあってほしいとずっと思い続けていてまだ実現していないなと思うのが、島固有の、島特有のという言葉で貴重さが語られることで終始してしまっているというところで、それは動植物についてもそれから民族風習についてもそうだと思うんですけども、どう変わっているのか他とどう違うのかどう貴重なのかということをもっと多くの方が感じたり学んだりする機会が必要なんじゃないかなと。ノネコの問題に関して言えば、「他にいない動物がいるんだよね」「それがいなくなってしまうんだよね」というところにとどまっている限り、これ以上僕は前に進まないような、つまり島中がもっと島に対して理解を深遠にするということがとても大事なのかなと、生意気ですけど思います。 それからネコのことに関して1つだけ今日思ったのは、ネコに興味がある方、ネコがお好きな方たくさんいらっしゃる。ただ、関わり方がいろいろ違うと思うんです。そういうネコ好きの人がネコに対する愛情がプラスの方向でみんな働くように。たとえば餌やりをされている方というのは、避妊・去勢に関して頓着しないでやる限り、これは殺処分のネコを増やすだけのとても罪な行為だと、僕はそういう方を見かけるたびに、いつも何とかならんかと思うんです。 でもそういう方たちが、たとえば耳がカットされているかどうかのチェックをするとか、ネコの顔を覚える、ネコマップの始まりですね。そういうことを少しだけしてもらって、たとえばしーまブログに報告をするというようなことができれば、負の方向ではなくて正の方向でこの問題が少しいいほうにいくんじゃない
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