平成27年度「奄美の明日を考える奄美国際ノネコ・シンポジウム」
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-39 -進めるのが大切じゃないかなと思います。星野:ありがとうございます。この会場には世界自然遺産登録に向けて努力している行政の関係者がたくさんいます。そういう人たちには大変いいメッセージを送ったと思います。もちろん皆さんは世界自然遺産が目標ではなくて、世界自然遺産になるためにいろんなことをやっていて、その中にはきれいな島にしようということもあるんだろうけれど。まさに島の明日を担う高校生の久保君からそういうメッセージがこのシンポジウムで出たというのは、大変重要なことじゃないかと思います。ありがとうございました。 続いて久野さんにお伺いします。飼い主が責任を果たす、そういう地域社会。奄美大島の明日として、明日の奄美として、どんな地域社会になってほしいと思いますか。久野:さっき久保君も言ったように、ネコ問題に取り組むということは島の人のモラルのレベルアップすることだと思うんです。正直、本当に不法投棄やら盗掘やら問題が山積みな奄美なので、島民のモラルをアップすることによって、ネコ嫌いの人にとっても野良猫対策に取り組むと野良猫が減っていくわけで、糞尿被害からも解放されるし、環境美化にもつながるし、さらには自然保護にもつながって、いいことづくめだと思うので。 確かに村松さんが言ったように、おじいちゃんがいて、ネコがいてという風景はいいんですけど。私もひと昔前まではいいなと思っていましたけど。でも野良猫の生きている環境はやはり過酷で。私もネコを飼っていますけど、のんびりゆったりミャーンとしているネコとはまったく違って、やはり顔つきが険しいです。幸せでは決してないんだなと改めて感じた事件もあったりして最近、ここでは時間がなくて紹介できませんけど、やはり過酷なんだなという事件もいっぱいあったりして、改めて野良猫はいないほうがいいなと。家の中で大切に飼っているネコがいて、ネコも大事にする奄美の人、それに伴って自然も保護している。そうすると経済発展にもつながるという素晴らしい未来を思い描いているんですけど。質問は何でしたっけ? 地域社会?星野:それですべて答えています。ありがとうございます。久野:そういう島になってほしいです。星野:ありがとうございます。続いて、阿部さんにお伺いしたいと思います。希少な野生動物と共存する、共生する奄美の地域社会、そのために重要なことは何だと思いますか。阿部:そうですね。やはりノネコの問題というのは本当に悠長に構えている時間はないというふうに思っていますので、これからもこうした、希少な野生動物だけではなくて、そういった希少野生動物も生きていけるための奄美の生態そのものを、多様性豊かな奄美の自然というものとこれからも共存していくためには、本当にノネコの早急な捕獲排除ということが大事になってくると思っています。 日本でも島を中心にいろいろネコ問題が起こっているところがあります。皆さんご存知だと思いますけど、小笠原とか沖縄県の西表島とか、沖縄本島の山原(やんばる)地域とか、そういったところでも希少な動物の捕食という問題。あるいは西表だったらネコの感染症が山ネコにうつってしまうというような、そういう問題で取り組んできたわけなんですけれども。 今そういった島では、基本的にノネコを捕獲したあとというのは、全頭原則里親譲渡という対策を取ってきたんです。その全頭飼い主を見つけることができたというのも、また成功事例を輝かせているみたいなところがあると思うんですけも。実際に今、奄美大島でそういう対策を行政の方も一生懸命考えられていると思うのですけれども、その問題で環境省の鈴木さんの発表の中にも、ノネコは里親譲渡ということを前提にやはり発表されていたんですけれども。各島々、やはり状況が違うと思うんです。小笠原というのは面積で言いましたら確か23平方キロくらいのすごく小さい島ですし、山原とか西表といった島々も奄美の2分の1から3分の1くらいの面積でしかない。 本当に奄美大島というのは大きな島で、こんな大きな島でノネコ問題をどうしていくかというのも初めて

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