- 37 -木事務所にいって、その道路がちゃんと舗装されましたという連絡もいくようになって、どんどん町がきれいになっていっているという事例がもうありまして。今年から始まったと思うんですけど、それのノネコ版みたいなアイデアはないかなと勝手に考えました。すみません。星野:ありがとうございました。大変魅力的ですね、「ネコアプリ」。それでは村松さん。村松さんは作曲家でありピアニストとして、音楽という分野ですけれども、人に自分の思いを伝える仕事をされて、そういう立場からこの情報発信、情報をどのように伝えるのがいいのか。特にネコに関する問題の場合、音楽とはだいぶ違いますが、何かご意見がありましたらお願いします。村松:島の場合は、まさに今回のメインの議題であるノネコと希少動物の関わりという大きなテーマがあるわけですけど、日本はおろか世界全体で今イヌを飼う方がどんどん減っていて、ネコを飼う方がどんどん増えていると。これはたぶん先ほど小栗先生の中にもありましたけれども、人間の暮らしの変化の中で、たぶんネコの持っている性質がそこに非常にフィットするという特性が表れているのではないかと思うのです。さっき僕がお話ししたネコが似合う島の風景というのも、まさにそんなところで皆が感じていらっしゃるところと思うんですけど。 実は僕が、あまみエフエムディ!ウェイヴで務めている番組の中でも、2週目にマヤ話と言いまして、僕の大好きなネコにまつわる話を毎月させてもらっています。この中でネコの勿論可愛らしさだとか習性だとか、そんなところからTNRの話までさせてもらっているんですけども。発信する側として今、端的にお伝えしたいと思うのは、ネコという生き物は人間が連れ回らない限り、こんなふうに世界中に生息域を広げなかったということ。動物学的にはご存じのとおり、イエネコという1種類のネコ。アフリカのリビアヤマネコが原種だといわれていますけども、人間があくまで帯同して、こんだけ世界に広がっていった生き物なんです。 ですので、ネコに関わらない人はどなたもいらっしゃらない。ネコのことは自分と関係ないという方が少なくなるためのメッセージをまずは発信したい。そして、ネコに愛情を持っていらっしゃる方には、さっき久野さんもおっしゃっていましたけど、ネコとどう関わり合うのかという意識を一人一人の方に明確にして、その愛情が正しい方向で表現されるように、みんなで方向合わせができたらいいんじゃないかと思います。星野:ありがとうございました。ネコ問題の難しさを考えながら、どんな情報をどういうふうに共有していったらいいか、いろいろご意見を伺いました。 ノネコの問題といっても、これはノネコだと誰でも分かるというものは非常に少なくて、特に山に近い集落では野良猫、飼い猫が山に入っていった可能性もあるというご指摘をいただきました。そういった点から地域ごとに取り扱いを考えていかなくてはいけないのではないかというのが出てくるかと思います。 それから久保君からは、生物部として実際にネコ問題に向き合ってみるといろいろ見えてきて、問題点も分かってくるということなので、そういう意味では奄美大島の多くの人たちにネコ問題を考えてもらうためには、まず身近にいるネコについて注意を払ってもらうような、そんな取り組みをすることが情報共有の第一歩になるのではないかと感じました。 また久野さんからはいろいろな問題点の指摘を受けました。地域の野良猫の管理、TNR活動という、避妊・去勢手術だけをしてまた放つという取り組み、市町村を中心に行われていますけれども、あとの管理が大事だと。その管理はまさに地域がしっかりやらなくてはいけないということで、久野さんのお話を聞いている限りでは、やはり各地域でいかにこのネコの問題、ノネコということだけではなくて、この場合は野良猫と飼い猫になるわけですけれども、その問題にどう地域の人たちが向き合うかということが、ひいてはノネコ問題の解決に向けた取り組みとして非常に重要になってくるんだということをお伺いいたしました。 また、行政と地域でさまざまな活動を行っている人たちの接点がないというお話もありました。今後どういうかたちで奄美大島の中でネコの問題に関わる人たちが意見交換できる場がどんなふうに設定されるのか
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