- 33 - 実際に暮らすようになって、僕は、今日は実は猫好きの代表のつもりでここにいるんですけども、本当にネコと接している時間を持っていますと実際のところはどうなのかというと、先ほどの久保君の、「その他大勢の大人はどんなのか」というのはどうしてもやはり感じるところで。うちには3匹の野良猫出身の飼い猫がいますが、3匹共が残念ながらうちの庭を狙って置いていかれるという形跡がありまして。なんかどうも猫が好きだという愛情表現の方向が間違っているんじゃないかというふうに感じることが多いです。星野:ありがとうございました。ネコが似合う島だという印象を持たれたということですね。テーマ3で「奄美の明日を考える」という中でもお考えを聞かせていただきたいと思います。 次に阿部さん、長年、奄美の哺乳類について調査研究をされてきたという立場から、家に帰って来て猫が多くて困ったという久野さんの話や皆さんの話をお聞きになって、阿部さんの印象を聞かせていただけますか。阿部:奄美哺乳類研究会の阿部と申します。私は島出身ではないですが、奄美に来て間もない頃にマングースの問題が起こっていまして、肉食獣がいない島にマングースがいて、大丈夫なのか。全く調査もされてない段階でしたので、みんなで調査をしようということで始まった団体なんですけれども。今、環境省のマングースバスターズの皆さんが大活躍されて、マングースはかなり捕獲数が減って、在来の生き物が回復してきているという状況につながっています。そのときも会として思ったのは、やはり本来生態系にいない生き物というのは、そこにいるべきではない。ここからは排除すべきであるという方向性で活動してきました。 そうなので、今回もネコについても、やはり山にいるものについては捕っていかないといけないというふうに思っているんですけれども。マングースと違ってネコというのは、野生動物としてだけ存在するわけじゃなくて、本当に島の人に身近に、ずっと共に生きてきた生き物ですので、そこの部分で本当に難しいな。これからの対応が、一部の行政の人とかネコ問題に関わっている研究者や地元の人がリードを取ってやっていくというだけではなくて、一般の人たちにも分かってもらう合意形成が必要な問題だなと今思います。星野:ありがとうございます。5人の方からお話を伺いました。ノネコの問題がこのシンポジウムのテーマなんですが、実はパネリストの皆さんといろいろ議論したいと思っているのは、山の中のネコを直接どうするかというよりも、環境省のプレゼンテーションにもありましたように、地域の人たちが飼っているネコ、それが避妊・去勢をしないために山に捨てられてしまったり、野良猫になって野良猫が増えて、それが山に行ってノネコとして問題を起こしてと、そういう状況があるわけですから、まさに地域で飼っているネコ、身近なところにいる野良猫の問題について、パネリストの方と今日は話をしたいと思って、今もそのようなことをお伺いいたしました。 野良猫はやはり数がたくさんいて、生活をしていく上でも非常に問題だという意見もあって、猫を飼っている人がしっかりと飼わなくてはいけないということで、久野さんはいろんな活動をされていたということです。 村松さんは奄美に来られたときに、猫が似合う島だ、のんびりと暮らしている島という印象を持たれたということなのですから、この野良猫の問題、飼い猫も含めてどう考えていくかというのを、それぞれ立場の違いを超えて情報を共有する。必要な情報が足りなければ、みんなでその情報を得る努力をしていくというのが大事ではないのかと感じました。 先ほどの小栗さんの報告でも、この問題考えるときに、さまざまな立場の人たちがいると。その立場の違いを十分考えないで議論を進めてもかみ合わないという話がありましたので、現状がどうなっているかとい
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