- 31 -いましたが、Uターンして帰って来たのが10年ちょっと前なんですけれども。本土に出ている間に勝手なイメージで、奄美も進んでいて「野良猫とかも、もういないんだろうな」と勝手に思っていたんですけれども。というのも実は東京へ出ている間にも猫を飼っていて、不妊化して飼うとか、室内で飼うというのは当たり前の世界で私も生活していました。帰って来て、変っていないより増えてるという状況にがく然としました。もうその頃、30~40匹、お店の裏に空き地があるんですけど、30~40匹いまして、車が来るとご飯をもらえるというんで、ワッとみんな車を取り囲むように集まってくる状況でした。 今やっと猫条例とかができて少なくはなってきているんですけど、いまだに多いです。そして、お店の横に公園があるんです。奄美の郊外にある公園というのは、まさに捨て猫の格好の場所で、うちの隣の公園もいまだに捨て猫が絶えません。という環境の中で、お店の営業に支障が出るくらい猫の世話をする羽目になっていまして、ネコの多さに本当に困っていて発足したという感じです。星野:ありがとうございます。この奄美大島へ戻って来て、何十匹もの野良猫に囲まれて、その現状を知って猫部の設立に至ったということですね。 それでは、久野さん、奄美猫部でどんな活動をされているのでしょうか。久野:パンフレットにも詳しく載せてもらっているんですけれども、本当に一番やりたいのは猫の適正飼育の啓発です。あとは適正化のためには、ネコについての正しい知識をもっと知ってもらいたいというのがあって、そのための情報発信。あとは行政で取り組んでいるTNRという野良猫の不妊化という方法の普及・啓発。あとは、どうしても野良猫を保護して、どうにか助けてあげたいという方たちの手伝いのために、里親募集の代行みたいなこともしております。星野:奄美猫部としていろいろな活動されているということです。お手元の配布資料の中にも奄美猫部の活動紹介が11ページ目に入っていますので、皆さま、後ほどご覧いただければと思います。 パネリストの中で久保君、久野さんと同じ大熊地区に住んでいますね。今の久野さんのお話を聞いて、感じたこと。同じ地区に住んでいて、高校生として地域のネコについてどんなふうに感じているか。また久保君の目で見て、地域の大人の人たちはどんなふうに行動しているか。そんな点について話してくれますか。久保:こんにちは。大島高校生物部1年の久保駿太郎と申します。久野さんのやっている活動については、とても大変そうな活動をやっているなあと思います。同じ大熊地区に住んでいて思うことは、やはり近くに漁港とかがあるので、ネコが多いなと思います。時々ベランダとかにフンとかもされて、ちょっと困ったりもしています。周りの大人たちの行動についてですが、……。星野:大熊の大人の人たちは、このネコの問題をどのように思って活動しているのかな。久野さんは猫部を作って、こういう活動を積極的に取り組まれています。地域の人たちみんなで取り組むことが大事だと思います。久保君の目で見て、地域の人たちはどんな活動をされていると思いますか。久保:一部の人だけがこういう活動をしていて、もっと大部分の大人の人たちは、あまりしていないんじゃないのかなと、見ていると思います。星野:ありがとうございます。久保君は大島高校の生物部に入っているんですね。大島高校の生物部ではどんな活動をしているんですか。久保:大島高校は今年からまた復活しまして、大島高校生物部では数多くの観察会や研究会に参加し、また実質的な調査等も行ってきました。主な参加している観察会や研究会というのは、奄美にある鹿児島大学の奄美分室で行われている研究会や、奄美シダ研究会で毎月行われている観察会に参加してきました。実質的
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