平成27年度「奄美の明日を考える奄美国際ノネコ・シンポジウム」
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- 21 -禁止するのはどうですか」という質問に対しては、だいたい6割の方が「禁止するのが望ましい」、「条例として出すのが望ましい」と回答しました。  条例の厳罰化という強い言い方になってしまうのですが、強化について賛成の方がどんな意見を持っているかというと、やはり「モラルを持って飼ってほしいから」。あと、「ひどい場合には、罰則があったほうがいいと思う」という方もいらっしゃいました。賛成の方の中には、「賛成だけど、その人(飼い主)が守ってくれるのかというのは、疑問に思ってしまう」という方もいらっしゃいました。 これは反対意見とも通じるのですが、条例化に反対の方はどういうことをおっしゃっているかというと、「何でもかんでも条例で縛ればいいというものではない。その前にすることがある」というふうなかたちで反対を表明されている方がいらっしゃいます。 最後の下の方もそうですが、「法律が一番楽というふうにとられてしまう。だから、それで終わりになってしまうんじゃないか。もう少し違う方法で、マナーを徹底させることができるんじゃないか」というふうにおっしゃっています。 さてノネコと野良猫、いずれにせよ、「もしも管理をすることになったときに、どのような管理が望ましいと思いますか」ということについても質問をしました。ここに挙げた3つの、おそらく(対策として)取られるだろうと思われる3つの方法に限ってお聞きしました。見てのとおり、里親さがしがもっとも支持されます。殺処分に関しては、半数以上が「望ましくない」と答えました。 こちらも、市街地、集落、奥山で分けてお聞きしているのですが、今回場所による差というものは見られませんでした。では、支持できない、望ましくないと答えた方がどのような支持できないと感じる理由を述べているかというのをちょっと挙げてみます。里親さがしに関しては、反対されている方は少ないのですが、賛成している人もこういうことをおっしゃっています。それは、やはり「見つかるかどうか」。実際に里親さがしをされている方もおっしゃっているのですが、里親さがしが可能かどうかというのに疑問があるということです。もう一つは、「見つけたところで、その方が本当にマナーを守って飼ってくれるかというのも分からないではないか」ということでした。里親さがしに関しては、あまりコスト面についての指摘はありませんでした。 次にTNRについてお聞きしたのですが、これに関しては「放獣はよくない」と考える方と、「不妊手術がよくない」と考える方といらっしゃいました。だいたいが放獣に関してで、「せっかく捕まえたのに、なんでもう一回戻すの」とおっしゃっていました。これは(個人的に)野良猫の対策をされている方がほとんどでした。あと、TNRに関してはお金の話が少し出ていまして、これに関しては金額が明確に分かっている点もあるので、「こういうのに税金が取られるのが嫌だ」という意見があったりしました。 殺処分に関しては、生き物には人間と同じ命があるので、生きる権利、生存権について言及される方がいらっしゃいました。ちょっとここで面白かったなと思うのが、マングースのような外来生物とは別の話なんだというふうに捉えている方がいらっしゃって、多くの方からそういう印象を受けました。ただ一方、話をしていくと、「いろんな手段をとった上で最終的に殺処分になるのは仕方がないのかもしれない」、「希少種問題、希少種の捕食問題というのを考えると、最終的にはしょうがないかもしれない」というふうに回答される方もいらっしゃいました。 以上のことから、コスト面については、TNRではあるのですが、それ以外にあまり聞かれなかった、という点が一つ。それから、奥山はノネコの問題で、集落は野良猫の問題でというふうに、場所ごとに回8

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