平成27年度「奄美の明日を考える奄美国際ノネコ・シンポジウム」
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- 13 -外来の哺乳類が駆除されました。 ここのグラフをご覧いただきますと、ニュージーランドにおける駆除の数の推移がわかります。最初の頃は駆除はほとんどゼロに近い数字でしたが、1990年代からこの駆除に関する技術や駆除に用いる道具が格段の進歩を見せたために、どんどん数字が上がっていき、今では500件に近いものになっております。 このグラフのデータは島嶼保全のすべての侵略的生物種の駆除に関するオンラインのデータベースから得たものです。ウェブサイトは画面の下にあるとおりです。(diise.islandconservation.org) 駆除を行った島の大きさを見ると、似たようなパターンがわかります。ニュージーランドの私の同僚であるクラウト氏とラッセル氏の論文にあるこのデータはニュージーランドにおける齧歯動物の駆除を表しています。 1990年代までは、齧歯動物の駆除が行われたすべての島々はとても小さな島で、面積としても数十ヘクタールしかないものでしたが、1990年代の半ばには、駆除の処理能力が上がり、最終的にはニュージーラドの沖合にある1万2,000ヘクタールの大きな島であるキャンベル島でも駆除できるようになりました。 世界中の島におけるノネコの駆除について見てみましょう。個々のデータは先ほど同様、島嶼保全のデータベースから取ったものです。あちこちの島嶼で101件の成功例がありました。この地図でご覧のとおり、ほとんどはオーストラリア、ニュージーランド、メキシコの島です。 ここでも、ネコの駆除が成功した島の大きさは年を追うごとにかなり増えています。右上のほうに島の写真があります。これはニュージーランドにあります1.5平方キロメートルの大変小さなスティーブン島という島です。ここで世界で初めてノネコの駆除が行われました。下のグラフからお分かりいただけますが、駆除は次第に大きな島でも行われるようになり、南アフリカにあるマリオン島でノネコの駆除が1991年に行われました。この島の面積は約300平方キロメートルです。 先に申し上げたとおり、ノネコを島から駆除することによって、とてもいい結果が出てきました。その第1に挙げられるのは、在来の希少種の鳥類、ほ乳類、は虫類が格段に増加していったということです。 そしてまた、ノネコがいなくなったあと、いくつ•:(5ha)•20461––()–()–()34Data from Clout & Russell (2006)56

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