44 図10 汁の具材 図11 汁の具材でみる季節 5)動物性タンパク質の摂取 動物性タンパク質の摂取状況について分析した。動物性タンパク質の主な摂取源は豚で、動物性タンパク質が含まれる割合は、日常食では24.5%に対し、特別食では47.9%と高く、動物性タンパク質は特別な時に食べるご馳走だったことが伺える(表2)。 季節的にみれば冬場に家畜をつぶして食している。奄美群島では広い範囲で正月用につぶして塩漬けにする。拵家では1月29日(旧暦12月17日)につぶし、それを長期間にわたって大切に食べている。一方、つぶした肉は親戚に配ることは慣習となっていたようである。 夏場には魚介類が多い。夏は気温と水温があがり、風と波も穏やかになるため、船で出漁やサンゴ礁の採取が可能となり、入手が容易になるためであろう。拵家による魚介の採取は3月~10月であり、これを裏付ける。
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