平成25年度地域の環境文化に依拠した自然遺産のあり方に関する調査検討業務報告書
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26 6.今後の課題 今後も継続してケンムン譚を収集するともに、収集したケンムン譚を用いて、出現場所、出現理由、人の対応、その結果としてもたらされたことなどについて分析を進めることで、人と自然とのかかわりの中でケンムンがどのような存在であったかを示すことが期待される。 近ごろではケンムンも絶滅危惧種のようだ。電気がついて闇が少なくなったとか、大きな木が少なくなったとか、海岸が埋め立てられたとか、いろいろとうわさされている。しかし、一番の原因は、自然に向き合う人の心にありそうだ。 人とケンムンがともに生きる島でありつづけてほしいと願っている。 ■参考文献 町健次郎(2012-2013)「奄美・妖怪考」『南海日々新聞』 弓削政己(2013)「薩摩藩勧農・開墾政策におけるノロ・ユタと怪異ケンムンについて」『沖縄民俗研究』第31号

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