平成25年度地域の環境文化に依拠した自然遺産のあり方に関する調査検討業務報告書
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196 連携支援事業に見られたように、学校カリキュラムの中にもコンテンツを組み入れる新しい試みがなされている。この取り組みは、子どもの郷土教育や身近な環境を学ぶためには、時間の制約、資料・教材不足、地域との連携といった観点から課題があることを確認すると同時に、屋久杉自然館がこれらの課題解決に向けて、教師たちと一緒に「郷土を理解する学習」と「環境を知る学習」に取り組んでいく必要性の自覚を促している。 屋久杉自然館の活動を【視座1】の観点でみてみると、M氏も認めるとおり「島の外の人(島外者)にとっての環境学習」が中心だった。その内実は、充実した屋久杉自然館の展示の解説が主な取り組みだった。一方、地元の関わりは、博物館が一番弱いところと語りつつ、講座をうっても地元の方の集まりが悪く、どうしても消極的になってしまうとその難しさを吐露する。しかし、学校との新たな連携の動きをみても、取り組むための力は蓄積されてきている。 検証第二の視点、環境学習をささえる環境教育の条件整備に関していえば、屋久杉自然館のスタッフの自助努力は大きいが、町が責任を持って施設管理をおこなってきている。また、必ずしも安定的な雇用条件とはいえないにもかかわらず、専門性の高いスタッフがチームを組んで業務を遂行しており、条件整備はされている。ただし、昨今の動きとして屋久杉自然館の現場から町の職員が不在になる現状は決して望ましくない。対策がぜひ必要だ。環境文化のコンテンツづくりについては、着々と実績を挙げてきている。屋久杉自然館の直接の取り組みではないが、特に屋久町が取り組んだ郷土誌(表16)は、屋久島における集落単位の環境文化の掘り起こし資料と呼んでも差し支えないほど素晴らしい内容である。 (表16)地元誌一覧 屋久島の地元には、自らの足元を掘り起こす力がある。その力を島民の日常生活を見つめ直すことにつなげ、暮らしを作り変えていく方法論や仕組みを開発していくことが、今後環境教育の条件整備という観点から望まれる。 5.鹿児島県立屋久島高等学校・環境コースについて (1)環境コースの概要 鹿児島県立屋久島高等学校は、平成13年に普通科の中に「環境コース」を創設した。環境コースの目標は、屋久島の環境を学びながら、人との関わりを考え、社会人としての実践的能力や態度を身につけることとなっている。環境コースでは、環境を自然だけでなく、生活文化や歴史、行政などを含む文系科目も含むもとしてとらえており、カリキュラムにもその考えが反映されている。(表17)と(表18)は、コース修了に必要な科目単位数等である。 図書名発行年発行屋久町郷土誌Ⅰ1993年屋久町屋久町郷土誌Ⅱ1994年屋久町屋久町郷土誌Ⅲ1995年屋久町屋久町郷土誌Ⅳ2007年屋久町上屋久町郷土誌1984年上屋久町

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