188 習においても、例えば縄文杉周辺の保全と利用問題は、【視座2】が求める現代の「環境文化」のコンテンツづくりと無関係ではありえない。ほかにも環境形成にかかわるもので、平成13年に始まる「エコツーリズム支援事業」は、島内で活動するガイド数の増加を背景に、地元からガイドにも勉強してもらいたいと提案があり始まったと聞く。ガイドセミーナや屋久島研究講座はもちろんだが、とりまとめた「屋久島エコツーリズム推進のための指針及び提案等」のプロセスは正に学習であったはずだ。 同じく環境形成にかかわるものの中にあるが、環境文化財団がこれまで刊行した書籍類をみることも、【視座2】を検証する大事な指標の一つになるだろう(表7)。 (表7)屋久島環境文化村財団発行書籍一覧 平成8年発刊の「図説 屋久島」は、屋久島の自然とともに自然と人の関わりの文化をとりあげている。一方、その後のガイド本は屋久島の自然に特化し、屋久島の豊かな自然を捉える多様な視点を開拓して人々を誘う。ガイド本には人や社会を入れる努力は認められるが、財団の出版物を環境学習の補助教材としてみた場合、屋久島の自然と人のかかわりを掘り起こし、訴え問いかけるようなコンテンツが開発されてきたとは言い難い。 (図3)は屋久島環境文化村センターの入館者と屋久島の入島者の数の経年変化を示す。 (図3)屋久島環境文化村センター入館者数と屋久島入込者数 著者名編著者図書名発行年発行1屋久島環境文化村ガイド「図説 屋久島」日本語版平成8年財団法人 屋久島環境文化財団2屋久島環境文化村ガイド「図説 屋久島」英語版平成12年財団法人 屋久島環境文化財団3屋久島野鳥研究会(代表 水野明紀)屋久島の野鳥ガイド平成13年財団法人 屋久島環境文化財団4木口博史小原比呂志伊沢正名屋久島のコケガイド平成16年財団法人 屋久島環境文化財団5財団法人屋久島環境文化財団屋久島の植物ガイド平成17年財団法人 屋久島環境文化財団6屋久島ガイド連絡協議会海洋生物研究会屋久島の海辺生物ガイド平成21年財団法人 屋久島環境文化財団7屋久島地学同好会屋久島地学同好会屋久島の地質ガイド平成24年財団法人 屋久島環境文化財団8中田隆昭屋久島の昆虫ガイド平成25年公益法人 屋久島環境文化財団0100000200000300000400000500000020,00040,00060,00080,000100,000H9H10H11H12H13H14H15H16H17H18H19H20H21島入込者数(人)入館者数(人)屋久島環境文化村センター入館者数と屋久島入込者数有料入館者数無料入館者数屋久島入込者数
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