平成25年度地域の環境文化に依拠した自然遺産のあり方に関する調査検討業務報告書
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179 トを行う組織が大変重要である。 これらの取組は環境文化型国立公園をめざす奄美大島にとっても大変参考となる取組である。屋久島の20年は、世界遺産という外からの大きな価値付けと、観光面の要求に戸惑いながら、地域経済の活性化と屋久島らしさの継承に悩みながら試行錯誤で取り組んできた20年といえよう。 最後に『わたしたちのまちのみらい 屋久島町第一次振興計画基本構想』の基本理念を紹介したい。次の20年で、この理念が反映された屋久島になっていることを願っている。 「これからは、悠久の流れという果てしなく長く続く時間の中で、脈々と息づいてきた島の生い立ちや歴史を振り返り、先人たちが培ってきた自然とともに生きる暮らしぶりやこころのやさしさ、思いやり、強さをもう一度掘り起こし、新たな価値を創造するとともに、集落固有の多様な歴史・文化を受け継ぎながら、これらの多様性を語り合い、認め合い、とけあわせた中で、島に暮らす人々の営みを未来永劫絶やすことなく循環・持続させていく」 <参考文献> 敷田麻実編著、森重昌之・高木春光・宮本英樹著『地域からのエコツーリズム』2008年、学芸出版社 屋久島町『わたしたちのまちのみらい 屋久島町第一次振興計画基本構想』2010年 屋久島環境文化財団『設立20周年記念誌』2013年

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