平成25年度地域の環境文化に依拠した自然遺産のあり方に関する調査検討業務報告書
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148 〇生垣の樹種 ☆古い時代からある樹種 ゲッキツ、ゴモジュ、ホウライチク、イヌマキ、マサキ(方言名。カムィンコグヰ)、ハマクサギ、シャリンバイ、クチナシ(方言名。モリバナ) ☆新しい時代の樹種 カイヅカイブキ(鹿児島から)、アデク、アカメカナメモチ(鹿児島から)、ツゲ(鹿児島から)、モッコク、ハリツルマサキ、 〇花壇 サンタンカ、シラン、ゴクラクチョウカ、アジサイ、スイセン、テンジクアオイ、キクの類、テッポウユリ、その他最近の花類が多い。 花壇近くに、クマタケラン(糯に使う)、キダチアロエ(薬草)、アロエベラ(薬草、野菜)、キダチトウガラシ(薬味、薬草)、シソ(薬味)、ツルグミ(薬木)、 最近、ハーブとして、ミント類、マンネンロウ(ローズマリー)ボタンボウフウ、キャッサバ、クズウコン、ウコン類、 〇果樹 ☆古い時代からある樹種 ヒラミレモン、タチバナ、ダイダイ、カキ、パパイヤ、ハンジロウ、モモ(昔からのもの)、オガサワラバナナ(シマバナナ) ☆新しい時代の樹種 屋敷内にポンカン、タンカン、キンカンなど。果樹園では、スモモ、タンカン。 4.西仲間集落の屋敷における樹木利用 大きな屋敷林はなくなってしまっています。海のない西仲間集落では、サンゴの石垣ではなく、ホウライチク(キンチク)やタケの生垣でした。昭和45年以降にブロック塀に変わりました。 屋敷内には山から持ってきたであろうアマミセイシカやケラマツツジなどが植えられて、彩りを添えています。また、ランなども観賞用に育てられています。山を屋敷に取り込んでいて、ヤマシャの多い集落ならではではないでしょうか。また、屋敷内に柑橘類がたくさん植えられていいます。 ○屋敷林の樹種 ☆ガジュマル 海岸林性の樹木で、屋敷林や学校(記念樹として有名)などに植栽されていました。木登りやブランコなど子供の遊び場としてまた木陰は住民の憩いの場として古くから住民に親しみのある木です。奄美の民話に出てくる「ケンムン」の棲家とも言われ、奄美の象徴的な木です。 ☆アコウ 温暖な地方に自生します。樹髙約10〜20mでは分岐が多く、枝や幹から多数の気根を垂らし、岩や路頭などに張り付きます。ガジュマルやハマイヌビワと同じで、ケンムンという妖怪が住んでいると云われます。 ☆イジュ 奄美大島に自生する樹木です。通常の高さ10〜20m、直径50〜100cm(時には1.5m)にもなる常緑高木です。花は4月下旬から7月頃まで咲いていきます。奄美群島でよく使用されたのが高倉の柱材として用いられていて有名です。

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