平成24年度「屋久島・小笠原諸島等の島しょ型世界自然遺産をモデルにしたネットワーク構築等業務」報告書
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- 22 - 急成長し、掲げていた理想とは少し違った形で「観光振興」実現してしまった。また、構想を実現する主体が明確でなく、出てくる課題に対して議論を重ねているうちに新たな課題が生じているという状況になっていしまっていた。中核を担うことを期待されて設立され屋久島環境文化財団も、施設の管理運営と独自事業の実施に労力が割かれ、地域とのつなぎ役を十分に果たせていない。すなわち、構想策定時に築かれた屋久島方式がうまく引き継がれていないことが一番の課題である。 このため「奄美・琉球」においては、事前に計画や構想の役割を明確にしておくことと、地域とをつなぐ機関を作っておくことが重要になる。地域とつなぐ機関には行政や外部の科学者と対等に議論が出来る者がいることが望まれる。知床世界遺産地域の知床財団や、小笠原諸島世界遺産地域の小笠原自然文化研究所はそのような役割を果たしている。

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