平成23年度「琉球弧の世界自然遺産登録に向けた科学的知見に基づく管理体制の構築に向けた検討業務」報告
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80 3.琉球弧の世界遺産登録に向けた課題 平成19年度報告書も踏まえ、琉球弧の世界遺産登録に向けた課題は以下のとおりである。これらの課題を解決し、世界遺産に推薦するためには、早い時期に推薦の意向を明らかにし、地域連絡会議と科学委員会を設置して、合意形成と科学的知見に基づきつつ、早急に課題の解決に向けて取組を始める必要がある。 ① 科学的知見に基づく顕著で普遍的な価値の証明 ② 顕著で普遍的な価値を永続的に保全する政策の実施 ・保護地域の設定 ・外来種(マングース、ノネコ、ノイヌ)対策の推進 ・希少野生動植物の捕獲・採取対策の実施 ③ 資源利用のルール作り ・観光利用のルール作り ・生態系の保全と両立する持続的な森林伐採のルール作り ・林道の適正な管理 ④ 管理計画の策定 ⑤ 保全措置に対する住民の支持と協力 4.科学的知見に基づく管理体制の構築に関する提案 今後、琉球弧の生物多様性を保全していくためには、世界遺産をひとつの契機として、科学的知見に基づく管理体制を構築し、当該地域における行政施策全般に生物多様性の保全を組み込むことが必要である。 科学的知見に基づく管理体制の構築に関し、科学的知見の集約、研究者による委員会の設置、モニタリングに基づく評価にわけて提言を述べる。 1)科学的知見の集約のためのネットワークづくり 琉球弧の顕著な普遍的価値の対象は、分野的にも地理的にも広範囲に及ぶ。現在、多くの研究者がそれぞれの専門分野で調査研究が行われているが、その知見を集約する仕組みはない。また、琉球弧の地史と生物の関係を考える場合には、現生生物の分子系統学的研究、化石による古生物学的研究、地学的研究の各アプローチから議論をすることが必要であり、他分野との交流はより良い知見を生み出す。 このため、琉球弧を研究対象としている研究者によるネットワークの構築が望まれる。 本業務においては、鹿児島大学内の多分野の研究者による意見交換会を2度実施した。また、今後の琉球大学との連携を視野に入れたヒアリングを行った。まずは、

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