2 2.調査方法 1)既存の調査研究等の整理 琉球弧の世界自然遺産への推薦及び登録に向け、世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約(平成4年9月28日条約第7号、以下「世界遺産条約」または「条約」という2)の履行のための作業指針(The Operational Guidelines for Implementation of the World Heritage Convention, 以下「作業指針」という3)に基づき、推薦書の作成に必要な項目を整理し、基礎となる既存の文献等の調査・整理を行った。文献収集は環境省生物多様性センター等で行った。 推薦書の「物件の内容(Description of the Property)」で記述が求められる琉球弧の自然環境の情報については、「平成17年度琉球諸島世界遺産候補地の重要地域調査委託業務報告書」(平成18年3月 環境省自然環境局、以下「平成17年度報告書」)を、同じく「登録の価値証明(Justification for Inscription)で記述が求められる琉球弧のOUVについては平成19年度報告書」をベースの資料とし、近年の調 2 1972年11月16日に国際連合教育科学文化機関(UNESCO)の総会で採択された。わが国については1992年6月30日に受諾書を寄託、同年9月28日に公布、同年9月30日に発効。 3 世界遺産委員会(後述)の作成による、世界遺産条約の履行を促すことを目的として世界遺産一覧表への登録等にかかる手続を定めた指針。世界遺産委員会の決議によって定期的に改訂される。作業指針の最新版はUNESCO世界遺産センターのホームページ(http://whc.unesco.org/en/guidelines)に掲載される。 図1-1 「琉球諸島」と「琉球弧」の範囲 環境省・林野庁により平成15年度に開催された「世界自然遺産候補地に関する検討会」では、図の太点線内の地域を便宜上「琉球諸島」と呼んだ(図中の黒点線の範囲)。「琉球諸島」のOUVをより明確に証明するため、島弧-海溝系による島弧とは成立過程の異なる尖閣諸島(東シナ海の大陸棚上の島)、大東諸島(フィリピン海の深海底の海嶺上にできた島)を除く、吐噶喇列島、奄美諸島、沖縄諸島、先島諸島を「琉球諸島」として推薦を検討すべき範囲としており、この範囲を「琉球弧」として本業務の対象とする。(図中の赤点線の範囲) (「平成19年度琉球諸島世界自然遺産候補地検討調査業務報告書」より転載、一部改変) 南西諸島 大東諸島 尖閣諸島 薩南諸島 奄美諸島 吐噶喇列島 大隅諸島 琉球諸島 沖縄諸島 先島諸島 宮古列島 八重山列島
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