平成23年度「琉球弧の世界自然遺産登録に向けた科学的知見に基づく管理体制の構築に向けた検討業務」報告
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59 ⑤サワガニ類(瀬川,2011) サワガニ類について、mtDNAの塩基配列を用いて系統樹を推定したところ、大きく(Ⅰ)北琉球及び以北に生息する、(Ⅱ)中琉球に生息する、(Ⅲ)南琉球に生息する物が多い傾向が得られた。例外は、(Ⅱ)に含まれるミヤコサワガニと、(Ⅲ)に含まれるリュウキュウサワガニ(奄美大島と徳之島に分布)である。 また、トカラ海峡を境に異所的に分布しているサワガニとサカモトサワガニの分岐を、トカラ海峡が成立したと想定される160万年前と設定して、進化速度の一定性を仮定し、分子時計を当てはめて解析した結果、300万年前に前述の3つのグループが分化し、200万年~100万年の間に現存種のほとんどの系統が分岐し、その後の島嶼化、細分化により40万年前に現状に近い形状になったと推定している。本研究からは渡嘉敷島のトカシキオオサワガニと宮古島のミヤコサワガニで分岐年代は16万年前と推定されている。 (瀬川,2011)より転載

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