平成23年度「琉球弧の世界自然遺産登録に向けた科学的知見に基づく管理体制の構築に向けた検討業務」報告
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1 第1章 調査方法 1.調査対象範囲 環境省・林野庁により平成15年度に開催された「世界自然遺産候補地に関する検討会」において、「琉球諸島」という呼び名で選定された範囲は、国土地理院地形図における分類に従って述べれば、図1-1の黒点線で囲んだ地域である1。 この範囲を対象に行われた「平成19年度琉球諸島世界自然遺産候補地検討調査業務報告書」(平成20年3月環境省自然環境局、以下「H19年度報告書」)では、世界遺産に必要な「顕著で普遍的な価値」(Outstanding Universal Value:以下、本文中では「OUV」と略す場合がある)を明確に証明する「琉球諸島」の範囲は、図1-1の赤点線で囲んだ吐噶喇列島、奄美諸島、沖縄諸島、先島諸島とされた。 以上を踏まえ、本調査の対象である「琉球弧」は、吐噶喇列島、奄美諸島、沖縄諸島、先島諸島とするが、対象地域の自然環境の特徴を明らかにする観点から、大隅諸島、大東諸島、尖閣諸島についても一部で情報の把握を行った。 1 環境省・林野庁により平成15年度に開催された「世界自然遺産候補地に関する検討会」では、ここでいう「琉球諸島」の価値(大陸島の種分化など)が、大隅諸島の屋久島が登録された価値とは異なることを強調するという、世界遺産推薦における技術上の観点から、吐噶喇列島以南を「琉球諸島」と呼んで区別している。環境省http://www.env.go.jp/nature/isan/kento/index.html 世界自然遺産候補地に関する検討会「第4回検討会議事録」等を参照。

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