平成23年度「琉球弧の世界自然遺産登録に向けた科学的知見に基づく管理体制の構築に向けた検討業務」報告
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52 ③海藻・海草 「琉球諸島」は亜熱帯性群落が成立する北限である。なかでも奄美諸島はリュウキュウスガモの北限にあたり、八重山列島や沖縄諸島のように優占種とならずにパッチ状に存在している。このように、「琉球諸島」内でも、サンゴ同様に緯度の変化に伴う段階的な変化がある。 2002 年から2007 年にかけて、環境省生物多様性センターによって「自然環境保全基礎調査浅海域生態系調査(藻場調査)」が実施された。これは本邦沿岸の海藻藻場・海草藻場の現況と生物多様性を把握する把握することを目的に、全国の代表的な129カ所の藻場を対象に、統一された調査手法によって海藻・海草の調査が行われた。 「琉球諸島」における調査地点は、奄美諸島にはなく、沖縄島で6地点(沖縄本島東部沿岸、薮地島周辺沿岸、中城湾北部、中城湾南部、瀬底島地先沿岸、塩川)、宮古島で2地点(宮古島東部、与那覇湾沖)、石垣島4地点(吹通川河口沿岸、川平湾~米原地先沿岸、名蔵湾、白保地先沿岸)、西表島2地点(崎山湾、網取湾)の計14地点である。 奄美諸島の海藻・海草については個別の研究者が個々のグループについて論文を書いているが、まとまった論文は出ていない。自然環境保全基礎調査やモニタリングサイト1000も行われておらず空白地域である。 「琉球諸島」全般に言えることだが、本地域は熱帯・亜熱帯地域との比較が必要となるが、これまで熱帯・亜熱帯地域の種について分類が混乱していたために調査研究が進んでいなかった。近年は解消しつつあるため、今後研究が進むと期待される。

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