平成23年度「琉球弧の世界自然遺産登録に向けた科学的知見に基づく管理体制の構築に向けた検討業務」報告
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44 研究が進んでいるグループ、地史を反映して島ごとに分布に特徴があるグループを詳しく説明して特徴を説明することになる。 有剣ハチとアリ類、直翅目、トンボ、チョウ、ホタル、セミ、クワガタ、コガネムシ関しては研究が進んでおり、島ごとの種分化について傾向が出る可能性が高い。 島ごとの亜種分化は甲虫類で特に顕著であり、マルバネクワガタ属をはじめとしたクワガタムシ科、イシガキゴマフカミキリをはじめとしたカミキリムシ科、オキナワムツボシタマムシやウバタマムシなどのタマムシ科など多数の例があげられる。これは飛翔性の低さによるものと考えられる(遺伝的な交流の機会の多い飛翔性の高い仲間は比較的分化しにくい)。ただし、トンボ目のような飛翔力が強いグループにおいても島ごとの分化はあり、ミナミヤンマ類(ミナミヤンマ、カラスヤンマ、アサトカラスヤンマ)などがある。種レベルまで分化を果たしたと考えられる例として、ニイニイゼミ属(ニイニイゼミ、クロイワニイニイ、イシガキニイニイ、ヤエヤマニイニイ、ミヤコニイニイ)、クマバチ属(キムネクマバチ・アシジロセグロクマバチ・オキナワクマバチ・アカアシセジロクマバチ)等が上げられる。

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