平成23年度「琉球弧の世界自然遺産登録に向けた科学的知見に基づく管理体制の構築に向けた検討業務」報告
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39 表3-17 「琉球諸島」の主な島嶼での両生類の確認種数(亜種を含む) ①有尾目の種分化 「琉球諸島」にはサンショウウオ科の種は生息せず、イモリ科のシリケンイモリとイボイモリの2種が生息するだけである。ともに日本固有種で奄美諸島・沖縄諸島の限られた島嶼にのみ生息している。特にイボイモリの分布域は狭く、奄美大島、請島、徳之島、沖縄島、瀬底島、渡嘉敷島にのみ生息が確認されている。本種は原始的なイモリで、「琉球諸島」がユーラシア大陸と陸続きであった第三紀に繁栄した種類である。現在、近縁種は中国にのみ生息していることから、大陸起源の種類が島嶼内に隔離され独自に進化した、いわゆる遺存固有種と考えられている。 ②無尾目の種分化 無尾目(カエル類)の種分化は、トカラ海峡以南で著しく、とくに奄美諸島・沖縄諸島に多くの固有種が生息している。そのなかには、八重山列島などに近縁種の見られないものが多い。この地域のカエルの分布については、特定の島にしか分布しない種(例:奄美諸島・沖縄諸島のみに分布するオットンガエル、ナミエガエル、イシカワガエル、アマミイシカワガエル。宮古島のみに分布するミヤコヒキガエル。八重山列島のみに分布するヤエヤマハラブチガエル、ヤエヤマアオガエル、アイフィンガーガエル)から全域に広く分布する種(例:サキシマヌマガエル、ヒメアマガエル、リュウキュウカジカガエル)まで、いくつかのパターンに分けることができる。 無尾目(カエル類)のうち遺存固有種と考えられているのは、近縁種である基亜種アジアヒキガエルが遠く中国大陸に分布するミヤコヒキガエル、近縁種が周辺に存在せず奄美諸島・沖縄諸島にのみ分布する、ホルストガエル、オットンガエル、イシカワガエル、アマミイシカワガエル、ナミエガエルの6種である。 島嶼ごと種分化が進行し、新固有の関係にあるものも多い。例えば、ハナサキガエル種群では、アマミハナサキガエル(奄美大島に分布)、ハナサキガエル(沖縄島に分布)、オオハナサキガエル・コガタハナサキガエル(石垣島、西表島に分布)、種数「琉球諸島」の固有種数環境省RL(2006)IUCNRL(2011)奄美大島11969徳之島10757沖縄島129710西表島9536

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