平成23年度「琉球弧の世界自然遺産登録に向けた科学的知見に基づく管理体制の構築に向けた検討業務」報告
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38 中琉球と南琉球を比較すると、中琉球で種数、固有種数、環境省版レッドリスト種数、IUCN版レッドリスト種数のいずれも中琉球で多くなっている。中琉球と南琉球の共通種は、琉球諸島固有種では主に北琉球に分布するハロウェルガエが西表島でも記録されているが、記録されて以来生息は確認されていない。固有種以外でもヒメアマガエルのみが共通種となっており、慶良間海峡が両生類の分布において重要な境界線になっていることがわかる。 表3-15 中琉球と南琉球の両生類の確認種数(亜種を含む)の比較 島嶼域ごとで比較すると、奄美諸島と沖縄諸島で確認種数が多く、ついで八重山列島となっている。奄美諸島で見れば、奄美大島に11種、徳之島に10種(うち2種は記録はあるが確認されていない)、加計呂麻島・請島・与路島にそれぞれ6種、沖永良部島・与論島にそれぞれ4種が確認されており、森林の発達した大きな島に種数が多いことが分かる。森林の比較的残っている島ごとで見ると、沖縄本島の12種が最も多くなっている。なお、硫黄鳥島、大東諸島、尖閣諸島に両生類は分布していない。 表3-16 「琉球諸島」の各島嶼域での両生類の確認種数(亜種を含む) 種数中琉球/南琉球の固有種数「琉球諸島」固有種数環境省RL(2006)IUCNRL(2011)中琉球1711121012南琉球105646種数各地域の固有種数「琉球諸島」固有種数環境省RL(2006)IUCNRL(2011)トカラ列島10001奄美諸島134969硫黄鳥島00000沖縄諸島1249710宮古列島21210八重山列島93536大東諸島00000尖閣諸島00000「琉球諸島」全体23-181415※在来種のみで算出

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