平成23年度「琉球弧の世界自然遺産登録に向けた科学的知見に基づく管理体制の構築に向けた検討業務」報告
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37 (4)両生類 日本列島からこれまでに記録された両生類は、日本爬虫両棲類学会発表のリスト(2009年12月6日改訂案)に、2010年に新種記載されたアマミイシカワガエル(Kuramoto et. al., 2010)が追加され、外来の3種を含み2目8科67種(亜種を含む。以下両生類において同じ)となっている。「琉球諸島」では、2目6科26種の両生類が記録されているが、このうち3種は外来種であるため、現生の在来種は2目6科23種である。これは、日本在来の両生類64種のうち、約36%を占めている。 表3-14 「琉球諸島」で確認されている両生類の種数(亜種を含む) 目レベルで見ると、日本列島在来の両生類のうち24種が有尾目(サンショウウオ類)で、残りの40種は無尾目(カエル類)である。「琉球諸島」には、有尾目が1科2種、無尾目が4科21種生息する。 有尾目では、日本全体をみればサンショウウオ科のものが著しく種分化して20種が確認されているが、「琉球諸島」には分布していない。イモリ科では3種のうち2種(シリケンイモリとイボイモリ)が生息し、いずれも「琉球諸島」の固有種である。 無尾目(カエル類)につては、日本全土で40種が確認されていが、「琉球諸島」には半数以上(52.5%)の21種が見られることが特徴である。さらに、本土との共通種はヌマガエルの1種のみである。 「琉球諸島」の在来両生類23種のうち、アカガエル科のヌマガエル、サキシマヌマガエル、アオガエル科のリュウキュウカジカガエル、アイフィンガーガエル、ヒメアマガエル科のヒメアマガエルをのぞいた18種(約78%)が「琉球諸島」の固有種となっている。 「琉球諸島」の在来両生類23種のうち、環境省版レッドリストには14種が記載されて。日本全土で環境省版レッドリストに記載されている37種であり、その約38%が「琉球諸島」で確認されている。また、IUCN版レッドリストに記載された種も15確認されている。 「琉球諸島」環境省IUCN在来種在来種固有種RL(2006)RL(2011)サンショウウオ科202000000オオサンショウウオ科1100000イモリ科3322222ヒキガエル科5421110アマガエル科2211101アカガエル科2625141311118アオガエル科9865303ヒメアマガエル科1111001合計67642623181415日本全土「琉球諸島」

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