平成23年度「琉球弧の世界自然遺産登録に向けた科学的知見に基づく管理体制の構築に向けた検討業務」報告
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34 (3)爬虫類 近年、「琉球諸島」では遺伝的な解析等に新たな種の発見が相次いでいる。従来ミナミヤモリやタカラヤモリと呼ばれていたものの中に遺伝的な解析の結果2つの隠ぺい種が確認され、アマミヤモリ(Toda et al., 2008)とオキナワヤモリとされた。また、与那国に生息するサキシマキノボリトカゲがヨナグニキノボリトカゲとして記載された(Ota,2003)。 日本列島からこれまでに記録された爬虫類は、日本爬虫両棲類学会発表のリスト(2009年12月6日学改訂案)によると、外来の8種を含み2目15科104種(亜種を含む。以下爬虫類について同じ)に分類されている。「琉球諸島」には2目15科83種が記録されている。このうち9種は外来種(国内外来種を含む)であるため、現生の「琉球諸島」における在来種は2目11科74種である。これは、日本在来の爬虫類96種のうち、約77%を占めている。 表3-10 「琉球諸島」で確認されている爬虫類の種数(亜種を含む) 「琉球諸島」の在来爬虫類74種のうち、海棲爬虫類であるウミガメ類とウミヘビ類の15種を除外すると、「琉球諸島」には59種の陸生爬虫類が生息する。このうち本土との共通種はニホンカナヘビとアオダイショウ2種で、共に吐噶喇列島北部で確認されている。さらに、59種のうち、ヤモリ科のオンナダケヤモリ、ミナミヤモリ、タシロヤモリ、オガサワラヤモリ、トカゲ科のミヤコトカゲ、アオスジトカゲ、「琉球諸島」環境省IUCN在来種在来種固有種RL(2006)RL(2011)トカゲ亜目ウミガメ科5555035オサガメ科1111000イシガメ科6533323ヌマガメ科1010000スッポン科111000※0トカゲモドキ科5555555ヤモリ科141297341アガマ科3333330イグアナ科1010000トカゲ科13131010671カナヘビ科6644331ヘビ亜目メクラヘビ科1010000ナミヘビ科2726211916135コブラ科131313134710クサリヘビ科7654410104968374474831※人為的分布の可能性の高いスッポンはカウントしない。合計日本全土「琉球諸島」科名

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