平成23年度「琉球弧の世界自然遺産登録に向けた科学的知見に基づく管理体制の構築に向けた検討業務」報告
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33 羽と推定されており、IUCN版レッドリストにおいて「絶滅危惧ⅠA類:CR」とされている(安座間安史・石田 健、1997)。 ヤンバルクイナは、1978年に発見された種でノグチゲラと同様に沖縄島やんばる地域にのみ分布する。本種は飛べないように特殊化がすすんだクイナの仲間で、発見当初の個体数は約1,800羽と推定されていたが、最新の知見では1,200羽ほどと考えられており、IUCN版レッドリストにて「絶滅危惧ⅠB類:EN」とされている。また、アマミヤマシギ、アカコッコ、ルリカケスもIUCN版レッドリストにて、それぞれ「絶滅危惧Ⅱ類:VU」とされている。 これらの固有種は全て中琉球に分布している。 表3-9 中琉球と南琉球の鳥類の確認種数の比較 これら以外にも、近年、台湾で生息が確認されたため日本固有種から外れたものの沖縄諸島周辺域にしか分布していないアカヒゲ(IUCN版レッドリスト「準絶滅危惧:NT」)や、これまで、トラツグミの亜種とされていたものの、近年の研究によって独立種と考えられるようになったオオトラツグミ(IUCN版レッドリスト「絶滅危惧IA類:CR」)などの世界的にみても重要な種が生息している。特にオオトラツグミは、1994年から奄美野鳥の会が実施している「さえずり調査」の結果、奄美大島全域の生息数は100羽前後ときわめて少ないことが示唆されている(EICネット、URL参照) また、コゲラ、ヒヨドリやシジュウカラなどの普通種であっても島ごとや地域ごとに色や大きさが異なり、亜種化している種類も多い。ちなみにコゲラやシジュウカラは「琉球諸島」内で3亜種、ヒヨドリは「琉球諸島」内で5亜種(大東諸島含む)に分けられている。また、オオアカゲラの亜種であるオーストンオオアカゲラは、他の亜種と比較して外部形態が特徴的で、奄美大島のみに飛び地分布しているなど興味深い固有亜種である。 さらに、IUCN版レッドリストにおいて絶滅危惧ⅠA類:CRと定義されているクロツラヘラサギを始め、多くのシギ・チドリ類の渡りルート上の休息地・中継地として重要な湿地も多く、ラムサール条約指定湿地として沖縄島の漫湖や石垣島名蔵アンパルが登録されている。このように地球規模で渡りを行う鳥にとって、重要な越冬地や渡りの中継地点の役割を果たしていると言える。 種数中琉球/南琉球の固有種数「琉球諸島」固有種数環境省 RL(2006)※亜種を含むIUCN RL(2011)※種のみ中琉球3455576135南琉球237006193

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