平成23年度「琉球弧の世界自然遺産登録に向けた科学的知見に基づく管理体制の構築に向けた検討業務」報告
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25 表3-4 奄美諸島島嶼別植生面積 植生をみると、奄美大島、徳之島北部、沖永良部島の大山などは古生層から形成される地域ではスダジイ林が発達している。自然植生としてのスダジイ林は25mにも達し、多層群落を構成している。スダジイ林は海抜350m~450m前後を境として下部にはケハダルリミノキ-スダジイ群集が、上部にはアマミテンナンショウ-スダジイ群集が生育している。また、沖永良部島大山山頂付近にはアオバナハイノキ-スダジイ群集、徳之島阿木名の三京にはオキナワウラジガシ群集が生育している。スダジイ林の伐採後の植生はギョクシンカ-スダジイ群落とリュウキュウマツ群落が大半を占める。 湯湾岳や井之川岳山頂付近は雲霧帯に位置し、風衝作用も受ける特有な環境下にある。これらの地域ではハイノキ属の木本植物多く生育し、タイミンタチバナ-ミヤマシロバイ群落が成立している。 琉球石灰岩地帯の山知林にはスダジイ林は見られず、ガジュマル、ハマイヌビワ、アコウなどのイヌビワ属の樹木で特徴づけられている。 海岸地帯は海岸林と海浜植生に区分される。海岸林にはクサトベラ-モンパノキ群集、アダン群集、オオハマボウ群落などの自然生低木林群落が海岸線に沿って帯状に発達している。砂丘海浜にはグンバイヒルガオ、ハマササゲ、ハマニガナ、ハマボウフウなどが生育している。 常緑広葉樹常緑広葉樹リュウキュウマツ落葉広葉樹二次草原タケ・ササ植林地耕作地市街地その他自然林二次林群落二次林群落奄美大島(加計呂間島、請島、与路島を含む)81,2556.555.219.95.00.50.00.85.62.44.1徳之島24,7773.525.216.40.90.10.00.245.06.02.7喜界島5,69316.35.90.05.60.30.06.452.47.75.4沖永良部島9,3672.311.92.72.90.10.00.766.89.63.0与論島2,0471.93.60.20.00.00.02.364.622.94.5出典:第6回・第7回自然環境保全基礎調査(環境省)結果よりGISを用いて面積比を算出植生による区分(%)面積(ha)

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