平成23年度「琉球弧の世界自然遺産登録に向けた科学的知見に基づく管理体制の構築に向けた検討業務」報告
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8 第2章 推薦書作成に向けた情報整理 1. 世界遺産登録に向けた手続きと推薦書 世界遺産に登録するための手続きは、主として①暫定リストの提出、②推薦書草案の提出、③推薦書の提出、④諮問機関による現地調査、④諮問機関による審査と世界遺産委員会への提言(勧告)、⑤世界遺産委員会による決議である。 世界遺産に登録されるためには、作業指針に定められたクライテリア(評価基準)に合致することに加え、顕著な普遍的価値を証明するのに必要な要素が揃っており、十分な規模があって(完全性)、かつ、法的な措置等により保護・保全が十分担保されていること、管理計画を有すること等の長期的な保護管理が確保されているという条件を満たすことが必要である。これを説明するのが推薦書である。このため、推薦書は科学的な知見に基づいて作成されなければならない。 2.推薦書の様式 推薦書の様式は作業指針に定められており(参考資料7)、記述の必要な項目は表2-1のとおりである。この様式に沿って作成された小笠原諸島世界遺産一覧表記載推薦書(2010年1月 日本政府、以下「小笠原諸島推薦書」)の様式と目次との対応を表2-2に示す。 世界自然遺産は平成23年6月末で183件となり、既に登録された遺産との比較などについて、詳細な科学的知見が求められる。このため、小笠原諸島推薦書は英文で230ページを超えるものとなっている。加えて、小笠原諸島の地質的特徴(地質の概要と発達史、小笠原諸島の特徴的な地質を観察できる場所、地質図)、植生図、種リスト、関係法律、管理計画などが付属資料として提出されている。 図2-1 小笠原諸島推薦書と付属資料

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