84 ⑥ プロセス、手順 イベントはしばしば、当日の成否、企画の妥当性のみが取り上げられるが、これらと同等の意味が、企画から交渉、实現までのプロセスにある。各種折衝や、PRそのものが、テーマへの理解を広めていくチャンスなのである。例え直接参加しなくても、発信した情報をそれなりに受け止めてもらうことが重要である。 そうした考えから、徳之島フォーラムで環境省、鹿児島大学が实践したことは以下である。(行政及び関係機関への通知等は省く) ・ 半年前にまず3町長に出席了解を取り、協力要請 ・ 22年9月に環境省審議官(現局長)、鹿児島大学長に出席依頼 ・ 10月以降、講演者、パネリストの交渉、PR方法について検討 ・ 12月鹿児島県政記者クラブで発表 ・ 12月3町広報に併せ、奄美ニュースレター特別版を徳之島全戸に配布(8千戸)し、ポスターを島の各所に掲示 ・ 鹿児島大学ホームページ、徳之島各種ホームページに掲載 ・ 老人クラブ代表、各種NPOなどに対し個人名による、手紙、電話、メールによる出席依頼 これらは、環境省那覇自然環境事務所、鹿児島大学鹿児島環境学WGにおける企画検討と併せて行われた。結果から考えて参加への効果が大であったのは、報道、ポスター等に加えて、電話、手紙などの直接の依頼をしたことである。間接的伝達に加えて、直接的伝達を重ねることが重要なポイントである。 なお、参加者について事前登録はあえて求めなかったのは、住民の心理的障壁をできるだけ低くするための措置である。これはすでに環境に意識的な人々だけではなく、一般的な人たちに参加してもらうための配慮でもあった。 3.为たる発言、その他ヒアリング等 (徳之島フォーラム) 3町長、講演者2名+パネリスト18名による活発な議論がなされた。異例だったのは会場発言も含め、すべてが前向きの発言であったことである。これは世界自然遺産というテーマ設定に加えて、徳之島住民の自信の表れでもあると考えられる。 当日の为たる発言は以下である。 ・ 徳之島、奄美は重要な歴史的交流域であり、ここから日本史を見直すという視点が日本史解読には重要 ・ 奄美の5つの島はそれぞれ個性があり、その個性が地域づくりにとってもっとも大事、徳之島は特に個性的で、豊かな島である
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