平成22年度「持続的な地域づくりに資する琉球弧の世界自然遺産登録に向けた課題と方策に関する検討業務」
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82 第5章 地域住民対象の普及啓発行事の開催 1.徳之島フォーラム概要 本調査の一環として、平成23年1月10日に徳之島伊仙町において「徳之島の未来、世界遺産」をテーマとするフォーラムを開催した。伊仙町の公的施設である「徳之島交流ひろば ほーらい館」は、大会議場の定員をはるかに超える437名の人々が集まった。定員300名の会場からあふれた150名は、会場の外にあるモニターテレビに熱心に見入った。 テーマ:「徳之島の未来 世界遺産」 为催:鹿児島大学、環境省、鹿児島県、徳之島3町 開催日時:平成23年1月10日(成人の日)13時~17:45 開催場所:徳之島伊仙町 「徳之島交流ひろば ほーらい館」 参加者:437名 2.フォーラムの目的、狙い ① 大学からのメッセージを出す 昨年の米軍基地移設によって、徳之島は地域全体が大騒動に巻き込まれた。反対の徳之島1万人集会などあって基地問題は一応去った。こうした混乱の中で専門家集団としての鹿児島大学は、政治的立場にかかわらず、専門的知見に基づいてなんらかのメッセージを送るのが基本的態度であろう。基地問題に直結するテーマではないが、今回のフォーラム開催の意図は大学の姿勢を示すということにあった。 行政当局としての環境省は、大学と立場は異なるにしろ、地域を専門的見地から応援するという姿勢は同様だと考えられる。 ② 地域との対話の中に、環境(問題)の本質を見る 環境は総合的テーマであるから、温暖化や絶滅危惧種保護だけではなく、地域の経済や住民生活の利便性と絡み合った複雑な関係のものである。したがって個別専門分野から見えることだけではなく、生産生活上の具体的事象の中に環境問題の本質がある。また環境問題の解決に必須の総合性は、地域の現場的解決の中にむしろ学ぶべきことがある。 ③ 3町長始め、徳之島の将来に影響を持つ人々が集結する 今回のフォーラム開催について最優先したのは地元3町長の出席であった。具体的には、環境省那覇自然環境事務所長と鹿児島大学小野寺が平成22年8月16日に3町長と会い日程設定をした。次いで地元のパネリスト、奄美振興事業など行政

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