平成22年度「持続的な地域づくりに資する琉球弧の世界自然遺産登録に向けた課題と方策に関する検討業務」
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73 ① 地域の環境保全に対する意識が向上した具体例 具体例①「白神山地の清流を後世に伝える」ふじさと再生計画(藤里町) 都会から来た観光実から、白神山地の清流に対して町は何かをしているのか、という発言をきっかけに町長の決断で实施。伐期の町有林(秋田杉)を伐採し、下水道の宅内工事費に対する助成を平成14年度から開始し、現在では加入率90%。平成15年度第12回いきいき下水道賞を受賞し、平成17年6月には地域再生計画の第1回認定を受けた。 具体例②ブナの植林活動 白神山地の関係町村でブナの植樹活動が活発に行われるようになった。 具体例③環境教育の発展 地域の小学校が総合学習の時間に世界遺産に学ぶようになった。世界遺産センターなどの施設が事前学習などに活用されている。 ② 地域の知名度が向上するとともに、環境がすばらしいという地域イメージが定着したことを示す具体例 具体例①白神の名を冠した商品の開発 白神山地においては、白神そば、白神山水、白神源流米、八峰白神の塩、白神を冠したお菓子、白神の水で仕込んだお酒などが開発・販売されている。 具体例②「知床世界自然遺産」シンボルマークの使用 知床においては、平成21年4月に知床世界自然遺産地域連絡会議が「知床世界自然遺産」シンボルマークを策定し、普及啓発・広報などに活用されている。また、このシンボルマークは、地元の産品への使用も可能となっており、第1号として、羅臼漁業協同組合が羅臼産昆布に使用している。 羅臼漁業協同組合と世界遺産の管理为体は、世界自然遺産の登録とその後の管理において、しばしば厳しい意見のやりとりがあったが、議論の積み重ねにより信頼関係が構築され、羅臼漁業協同組合においても世界自然遺産の知名度とイメージを活用した地元産品の販売に乗り出している。

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