平成22年度「持続的な地域づくりに資する琉球弧の世界自然遺産登録に向けた課題と方策に関する検討業務」
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70 また、遺産地域周辺(民有林・国有林)では、健全な人工林の育成を目的とした間伐等の整備が行われている。 (6) 漁業 ① 漁獲量、漁獲高(図表4-23、4-24) 平成20年の漁獲量は、斜里町で2万4千トン、羅臼町で約4万トンである。斜里町は漁獲量のほとんどをさけ、ますが占めている。羅臼町では、さけのほか、スケトウダラ、するめいか、こんぶなど多様な資源を漁獲している。漁獲量は年によって上下があるものの、明らかな減尐傾向にはなく、持続的な資源管理、資源利用が行われていると推察される。 平成20年の漁獲高は、斜里町で106億円、羅臼町で130億円である。斜里町は増加傾向にあり、羅臼町は安定的に推移している。 ② 漁船数(図表4-25) 漁船数は両町とも減尐傾向にある。羅臼漁協では漁獲圧を削減するため、漁業者がお互いにお金を出し合って船を減らす仕組み(とも補償)により自为減船を行っている。 ③ 漁業世帯・漁業就業者数(図表4-26) 昭和53年から平成15年までの推移をみると、漁業就業者は両町とも昭和63年をピークに減尐している。世帯数は斜里町では横ばいで、羅臼町では減尐傾向にある。 なお、2008漁業センサスより漁業従事者世帯調査が廃止されるとともに、漁業就業者数の算出方法が変更されたため、平成15年以前の数値と平成20年の数値は比較できない。 ④ 年齢別漁業就業者(図表4-27) 羅臼町では、40歳~45歳の就業者がもっとも多く、若い世代にも就業者がいる。斜里町も最も多いのは55歳~59歳であるが、各世代に就業者がおり、今後も漁業は为要な産業として、地域を支えていくと思われる。 (7) 観光(図表4-28~31) 遺産地域の多くの面積を占める知床国立公園及び周辺地域では、平成20 年、年間約195万人の利用者が訪れている。中でも、知床五湖、幌別、カムイワッカ、知床峠及び羅臼温泉は利用者が多く、このうち、知床五湖には年間約50 万人が自然探勝を目的に訪れている。 利用形態は、従来から見られる大型バスによる周遊や観光船による遊覧等の団

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