平成22年度「持続的な地域づくりに資する琉球弧の世界自然遺産登録に向けた課題と方策に関する検討業務」
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69 第1次産業でみると、羅臼町では1521人が漁業従事者で、41%を占め、漁業の町であることが分かる。斜里町でも473人が漁業従事者であるが、その割合は6%である。斜里町では14%が農業従事者である。 第2次産業では、両町とも製造業が12%を占めるが、建設業は斜里町8%、羅臼町5%と割合は高くない。 第3次産業ついては、斜里町では飲食店・宿泊業従事者が12%と高く、卸売・小売業も14%と高いことから、観光が重要な産業になっていると推察される。一方、羅臼町では、飲食店・宿泊業従事者が6%、卸売・小売業が9%であることから、観光の占める割合は大きくない。 商業統計をみると、年間商品販売額が羅臼町と比較して斜里町で大きくなっている。 (4) 農業 ① 耕地面積(図表4-17) 耕地面積は、斜里町で10,700ha、羅臼町で748haである。両町とも、昭和50年代にやや増加したが、その後は微減傾向にある。 ② 農業産出額(図表4-18) 農業産出額は斜里町で88億円、羅臼町で2億円である。両町ともほぼ横ばいである。 ③ 農業算出額(作物別)と生産農業所得(図表4-19) 平成18年の生産農業所得統計によれば、斜里町では麦、いも類、工芸農作物(おもにてん菜)の算出額が大きく、酪農も行われている。羅臼町は酪農のみである。 農家一戸当たり生産農業所得でみると、斜里町では約1,300万円と非常に大きく、大規模化が進んでいることが推察される。羅臼町では約460万円である。 ④ 農家戸数・農業就業人口(図表4-20) 農家戸数及び農業就業人口は両町とも減尐傾向にあるが、近年は減尐の幅が小さく、羅臼町では微増している。 (5) 森林・林業(図表4-22) 関係町村の森林面積は約71,000ヘクタールで、森林率は63%である。森林面積のうち84%が国有林である。 遺産地域の大半を占める国有林は、そのほとんどが知床森林生態系保護地域の指定地であり、現在、木材生産を目的とした森林施業は行われていない。

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