平成22年度「持続的な地域づくりに資する琉球弧の世界自然遺産登録に向けた課題と方策に関する検討業務」
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61 2.知床 1) 世界自然遺産地域の概要 (1) 位置及び面積(図表4-1) 遺産地域は、オホーツク海と根审海峡に接した北海道東北端にある知床半島の一部及びその沖合3km の海域からなり、北緯43 度56 分58 秒より44 度21 分08 秒、東経144 度57分57 秒より145 度23 分02 秒に位置している。 世界自然遺産地域は、北海道斜里郡斜里町及び目梨郡羅臼町にまたがり、ほぼ2分の1ずつである。遺産地域の面積は約71,100ha(うち海域面積約22,400ha)である。 知床世界自然遺産地域面積(ha) A地区 B地区 合計 陸域 海域 陸域 海域 33848 14776 22400 48624 22400 71024 陸域についてはGISを用いて計算 (2) 自然環境 ① 気象(図表4-2、4-3) ウトロの平年降水量は約1,100ミリで、平均気温は6.2℃である。 知床半島はオホーツク海に突き出していることから海洋の影響を強く受け、道東の中で最も積雪量の多い地域の一つとなっている。また、知床連山の存在は半島の東西の気候に影響を及ぼし、気温や降水量に大きな地域差が生じている。羅臼側は、夏期には湿気を含んだ海からの南東風が知床連山に当たるため、雤が多く、海霧により低温になる。冬期には海洋性気候の影響により比較的降雪が多く、気温も斜里側と比較すると高い。一方、斜里側は、夏期には知床連山の北でフェーン現象により高温地域になり、降水量が尐ない。冬期には北西季節風の影響に加えて、流氷が海水に比べ太陽光線をより反射してしまう効果や、流氷がその下の海水からの熱を遮断する効果により気温が低下する。 町別世界自然遺産地域陸域面積 町名 総面積 世界自然遺産地域陸域面積(ha) (ha) A地区 B地区 計 総面積に占める割合 斜里町 73,701 19,455 6,152 25,606 35% 羅臼町 39,788 14,393 8,624 23,017 58% GISを用いて計算

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