平成22年度「持続的な地域づくりに資する琉球弧の世界自然遺産登録に向けた課題と方策に関する検討業務」
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60 ⅳ 藤里町(図表3-27) 藤里町では、以前より日本自然保護協会登録の自然観察指導員などを中心にガイド活動が行われていた。世界自然遺産登録を契機に増加する入山者への対応と、環境保全型観光の振興を図るために、平成13年、14年に町でガイド養成事業を行ってガイドを制度化した。平成20年、21年に新規養成を行い、現在19名が登録されている。研修は10日~12日行い、实技試験と筆記試験があり、かなりレベルが高いものになっている。ガイドの認定や斡旋は商工会が实施している。(観光協会が商工会に編入されている。観光協会→平成13年(財)観光物産協会→平成18年藤里町商工会) 登録されたガイドは「秋田白神ガイド協会」に所属し、ガイドの他、自然学習活動や動植物の保護や遊歩道の整備などの自然保護活動にも取り組んでいる。また、ガイド料の5%を白神山地の保全活動資金の積み立てているのも特筆すべき活動である。これらの取組が評価され、平成20年の第4回エコツーリズム大賞において特別賞を受賞した。 料金はガイド1名につき、登山は20,000円、散策は17,000円である。 平成21年の利用件数は77件、利用者は1,328人で、平成14年、15年をピークに減尐している。 ⅴ 八峰町(図表3-28) 旧八森町では、平成6年度より講習会などを行い開催し、一定の講習修了者をガイド(ぶなっこ環境指導員)として認定し、レッキングガイド等が行われていた。ぶなっこ環境指導員は、平成10年度よりNPO白神ネイチャー協会を組織し、町内自然観察会や植林活動を实施してきた。また、旧峰浜村でも「水沢山ブナの森公園」におけるガイド養成が行われていた。 平成18年3月の旧八森町、旧峰浜村との町村合併により、互いの町村の自然や地形、歴史を知る上でも重要でありかつ多くの結びつきがあったこと、互いの地区に白神遺産地域と同様の自然形態の場所があること、白神遺産地域の景観を眺望できることから、一つの自然ガイド団体として、平成18年12月に「八峰町白神ガイドの会」として新設された。 平成10年以降利用者は継続して増加傾向にあったが、平成19年の「あきた白神体験センター」のオープンにより、利用者が急増している。ここでも、拠点となる施設の有無がガイド利用者数を大きく左右することが示唆された。

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