平成22年度「持続的な地域づくりに資する琉球弧の世界自然遺産登録に向けた課題と方策に関する検討業務」
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59 を行っている。ミニ白神は駅から30分と交通の便が良く、ホテルに入る前などに利用できるため、団体旅行での利用や、修学旅行にも利用されており、平成21年は約19,000人が利用している。 駐在のガイドツアーには500円と1,000円の2コースあり、団体の予約などには7000円のツアーがある。なお、ミニ白神では入場料300円が別途必要である。 ガイドは現在17人で、赤石川の保護に携わってきた流域の方や町の中心部の方、Iターン者などで構成されている。 また、鰺ヶ沢町では平成14年以降「白神・ツーリズム感動体験、あじがさわ」と銘打ったグリーンツーリズムを展開しており、メニューのひとつに白神山地トレッキングがある。利用者数の推移は以下のとおりであるが、9割から8割はミニ白神のガイドツアー参加者である。 ⅲ 深浦町(図表3-26) 旧岩崎村では、アオーネ白神十二湖(当時:サンタランド白神)の職員2~3名が利用者向けにガイドを始めた。その後、利用者の増加に対応するため、平成14年頃から研修等を行い、平成15年1月に「岩崎自然ガイドクラブ」を立ち上げて、本格的に活動を開始した。ガイドクラブは発足当初は、地元の方に呼びかけ、村役場が作成したガイドマニュアルを使用し、ガイド認定試験を实施してガイドの認定と登録を行っていた。しかし、現在はガイド組織の分裂などにより認定・登録は行われていない。 平成22年現在でガイドは15名で、全て地元である。 利用者数は平成18年をピークに減尐しているが、利用件数は着实に増加している。ガイド一件当たりの人数を見ると、平15年に1件当たり40人を超えていいた利用者が、平成21年には8.5人まで減尐しており、利用者が団体旅行から、個人や小グループに移行してきたことが読み取れる。これは、白神十二湖における団体の道案内ガイドから、小人数の実の要望に合わせ時間をかけて対応するガイドへと変化していることを意味する。 深浦町が行った調査によると十二湖を訪れる観光実は、4月~11月に約28万人で、その8割が団体、2割が個人。個人の約4割がガイドを利用したい意向を持っており、今後も人利用を中心にガイドの需要があると思われる。 アオーネ白神十二湖は宿泊機能を有する年間9万人以上が利用する利用拠点で、宿泊とガイドツアーがセットとなったプランも設けている。個人や小グループによる利用の増加は、観光実の近年のニーズである知的欲求や体験欲求の表れといえるが、「世界遺産白神山地」というブランドがよりその傾向を強くしていると考えられる。

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