平成22年度「持続的な地域づくりに資する琉球弧の世界自然遺産登録に向けた課題と方策に関する検討業務」
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54 2) 登録の前後における社会経済環境の状況変化 白神山地世界自然遺産地域は青森県と秋田県の4町村にまたがり、秋田県の八峰町、能代市、二ツ井町と境界を接している。本報告書では世界自然遺産地域が所在する青森県の西目屋村、鰺ヶ沢町、深浦町、秋田県の藤里町に加え、世界自然遺産地域が一望できる二ツ森の登山口がある秋田県八峰町を関係町村として取扱い、社会経済環境の変化を分析することとする。 (1) 人口、年齢構成等(3-10、3-11) 国勢調査の結果によると、各町村とも、昭和30年前後をピークに減尐傾向が続いており、5町村の総人口は昭和30年の75,126人から、平成17年では38,531人と半減している。 関係町村で最も人口が多いのが鰺ヶ沢町で、次いで深浦町、八峰町、藤里町、西目屋村の順になっている。 年齢別の人口構成をみると、各町村とも尐子高齢化が進んでいる。昭和55年と平成17年を比較すると、15歳未満人口が概ね半減し、65歳以上人口が倍増している。 平成17年の年齢別人口構成割合を全国と比較すると、15歳未満が全国平均13.7%を下回り、藤里町で9.6%、西目屋村で10.5%となっている。逆に、65歳以上が全国平均の20.1%を大きく上回り、西目屋村で35.8%、藤里町で35.5%となっており、両町村で尐子高齢化が顕著である。 (2) 土地利用状況(図表3-12) 各町村とも森林面積の占める割合が大きい。特に西目屋村は9割を超え、逆に耕地面積は2%にしかない。深浦町、藤里町でも森林面積9割を超え、耕地面積も5%以下となっている。鰺ヶ沢町と八峰町は、森林面積が約8割、耕地面積が約1割で、関係町村の中では比較的耕地面積が広い。 これは地形と大きく関係があり、海岸沿いの町はわずかであるが平地に恵まれているためと考えられる。 (3) 経済状況 ① 市町村別総生産(図表3-13) 鰺ヶ沢町が最も大きく、ついで深浦町、八峰町、藤里町、西目屋村の順になっており、並びは人口規模と同じである。 西目屋村は平成2年から一貫して増加傾向である。また、鰺ヶ沢町と深浦町は平成10年前後まで増加し、その後減尐に転じているが、平成2年と比較すれば増加している。一方、秋田県側の藤里町及び八峰町は概ね横ばいか減尐傾向である。

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