平成22年度「持続的な地域づくりに資する琉球弧の世界自然遺産登録に向けた課題と方策に関する検討業務」
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53 こととして、所要の修文がおこなわれ、管理計画が策定された。平成8年に世界自然遺産地域への入山規制について懇話会方式で検討を行った結果、平成9年に秋田県側は原則入山禁止、青森県側は指定ルートのみ入山許可制となった。その後、青森県側では許可を得ない入山者が後を絶たず、禁漁のイワナ釣り、たき火や樹木の伐採などのマナー違反も相次いだことから、入山者数の正確な把握や入山マナーの向上などを目的に、平成15年に入山手続きが許可制から届出制に変更された。 環境省世界遺産センターでは。平成11年より世界自然遺産地域内に設定したモニタリングサイト3カ所において、ブナ林の樹種毎の樹高、胸高直径、林床の实生の種類などの詳細な調査活動を行っている。この調査は、研究者、地域のボランティアの協力のもとに实施されている。 また、平成15年~17年にかけては、航空機搭載型レーザースキャナ及びハイパースペクトルセンサ計測により白神櫛石山南斜面に設置したモニタリングサイトを計測し、地形、樹種分布、さらに森林3次元構造等に関するデータを取得するための技術開発を行うなど、白神山地の自然環境の変化を把握し、生物多様性の保全に資する調査を实施した。 平成22年には、白神山地世界遺産地域科学委員会が設置され、科学的な知見を踏まえたより適切な保全管理の实現に向けた議論が始まっている。

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