50 第3章 世界自然遺産地域(白神山地、知床)における比較材料の収集・分析 1.白神山地 1) 世界自然遺産地域の概要 (1) 位置及び面積(図表3-1) 白神山地は青森県南西部と秋田県北西部にまたがる標高100mから1,200m余の山岳地帯の総称であり、このうち北緯40度22分から32分、統計140度02分から12分一帯の約19,971haが、「世界遺産条約」に基づく世界自然遺産に登録されている。 世界自然遺産区域は、青森県の西目屋村、鰺ヶ沢町、深浦町、秋田県側の藤里町の4町村にまたがり、各町村ほぼ4分の1ずつの割合になっている。町村の面積に占める割合では西目屋村と藤里町が15%を超える 町村名 総面積(ha) 遺産地域面積(ha) 区分 核心地域 緩衝地域 計 総面積に占める割合 青森県側 西目屋村 24,658 1498 2360 3858 15.6% 鰺ヶ沢町 34,229 3469 1181 4650 13.6% 深浦町 48,884 2706 1413 4119 8.4% 秋田県 藤里町 28,198 2466 1878 4344 15.4% (2) 自然環境 ① 気象条件(図表3-2~3-4)) 周辺地域の降水量は7月から11月にかけて多い傾向にあり、平年降水量は1,100ミリから2,000ミリで、特に藤里で多い傾向が見られる。 平均気温は10℃~11℃で地域による差は小さい。月別の平均気温では、1月・2月に氷点下となり、8月は20℃を超える。 環境省が設置している櫛石山と二ツ森の観測ステーションにおいても気温の月別変化は同様の傾向を示すが、冬場の冷え込みが厳しくなっており、二ツ森の最低気温はマイナス20℃近くになる。 ② 地形の特徴 白神山地の为な山としては向白神岳(1,243m)、白神岳(1,232m)、摩須賀岳(1,012m)、二ツ森(1,086m)などがある。 地形は壮年期的な様相を呈し、深い谷が密に入り組んでおり。30度以上の急傾斜地が半分以上を占めている。豊富な降雤・降雪により急峻な地形を縫って多数の河川が流下しており、落差の大きな滝も多くみられる。一部に堰堤があるものの、遺産地域内は良好な渓相が良く保たれている。
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