47 事業費で900億円に上る。 やんばる3村でみると、国頭村で公共事業が約46億円、非公共事業が約14億円、大宜味村で公共事業が約32億円、非公共事業が約11億円、東村で公共事業が0円、非公共事業が34億円である。東村が公共事業を实施していないのが特徴的である。 北部振興事業は、平成12年度より概ね10年間とされてきたが、沖縄振興計画の期間と歩調を合わせ、北部活性化事業として平成23年度まで延長されている。 7) 観光(図表2-33、2-34) 沖縄県の入域観光実数は平成20年度までは増加傾向で推移してきたものの、平成21年度は国内の景気低迷や新型インフルエンザの流行によって8年ぶりに前年实績を下回り、569万人であった。 やんばる地域を訪れる観光実の割合は、沖縄島全体からみれば、その立地条件、アクセス条件から非常に低いと推定される。 やんばる地域における観光利用の形態としては、西海岸の国道58号線を利用して辺戸岬や比地大滝などを訪れる日帰りの観光地・施設巡りが中心となっている。平成21年度の辺戸岬の入込者数は約47万人で、これがほぼ国頭村の観光入込実と推察される。また、国頭村には大手企業によるリゾート施設があり、平成21年度の宿泊滞在が約12万人である。 このほか、やんばるを訪れる観光実の全体からみると、まだ割合は低いものの、近年、やんばる地域の自然資源を活用した観光利用も増えつつある。 東村では、沖縄本島最大のマングローブ群落で、天然記念物にも指定されている慶佐次に整備されたヒルギ公園が利用拠点となっており、平成21年度には約8万人が訪れている。ここでは、カヌーやトレッキングなどのエコツアーが实施されており、平成21年度に利用した修学旅行校数が350校で順調に増加している。また一般のエコツアー利用者も増加している。東村では、エコツーリズム、ブルーツーリズム、グリーンツーリズムを推進しており、農業体験を行う学校も順調に増えている。 また、国頭村では、平成19年に村立の環境学習センター「やんばる学びの森」ができ、環境教育プログラムが提供されている。 このように、やんばる地域の自然資源を活用した観光利用については今後の発展が期待できる。
元のページ ../index.html#55