平成22年度「持続的な地域づくりに資する琉球弧の世界自然遺産登録に向けた課題と方策に関する検討業務」
52/104

44 2.社会経済環境の現状分析 1) 人口、年齢構成等(図表2-16、2-17) 国勢調査等の結果によると、やんばる3村の人口は大正9年以降、第二次大戦までいったん減尐し、昭和25年に回復した後は現在まで減尐傾向が続いている。沖縄県全体では人口が増加しているにも関わらず、やんばる3村の平成17年の人口は10,742人で、昭和25年の24,689人と比較して約6割の減となっており、違いが顕著である。 年齢別の人口構成をみると、15歳未満と15歳以上65歳未満の人口が減尐し、65歳以上が増加しており尐子高齢化が進んでいる。全国と沖縄県の年齢別人口割合は15歳未満が13.7%、18.7%、15歳以上65歳未満が、65.8%、65.2%、65歳以上が20.1%、16.1%で、沖縄県全体では15歳未満が多く、65歳以上が尐なくなっているが、やんばる3村では15歳未満の人口割合が全国並みで、65歳以上の人口割合は25%を超えており、高齢化がより顕著である。また、労働力となる15歳以上65歳未満の人口割合が、全国及び沖縄県と比較して8%尐なくなっており、産業を支える人口が尐ないことがうかがえる。 2) 土地利用状況(図表2-18) やんばる3村では森林面積が7割から8割に及ぶが、国有林の分布には差があり、東村では43%、国頭村では20%、大宜村では0%である。逆に大宜味村では村有林が46%を占めている。森林生態系の保全に向けては国有林と公有林の取扱いが課題である。 耕地面積はいずれも5%以下で、農業に適した平地が尐ないことが伺える。 3) 経済状況 ① 市町村内純生産の推移(図表2-19) 平成8年以降の市町村内純生産は、国頭村と大宜味村では減尐傾向で、東村ではほぼ横ばいである。最も純生産が大きいのが国頭村で、次いで大宜味村、東村の順になっている。 ② 経済活動別純生産(図表2-20) 3村とも生産額の推移は、建設業の生産額の変化によるところが大きい。平成8年以降の純生産の変化を産業別にみると、国頭村と東村では建設業が減尐し、大宜味村でも減尐傾向であったが、平成17年と18年には大きく伸びている。また、農業生産額は3村とも平成14年前後まで減尐傾向であったが、近年は増加傾向にある。 産業の3区分で全国及び沖縄県と比較すると、第3次産業の占める割合が

元のページ  ../index.html#52

このブックを見る